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連携事業
2024/11/21
APUは2021年から、大分銀行との共催で寄附講座を開講しています。本講座では主に大分県内の観光資源活用をテーマとしてきましたが、今年度は特に「商店街の活性化」という社会課題の解決もメインテーマに加わりました。久保隆行サステイナビリティ観光学部教授、楢本譲司非常勤講師の指導のもとサステイナビリティ観光学部の学生が受講し、また、一般聴講も可能な公開講座には、市民の皆さんがオンライン・対面で受講されました。
今年度の対象地域は佐伯、豊後大野、竹田、別府の4か所でした。講座では、大分銀行の協力・支援で各地域の専門家を招いた講義を開催し、受講生たちは座学で知識を修得したうえで、現地でさまざまな施設や関係者を訪れてフィールドワークを行いました。
最終回には大分銀行 宗麟館のソーリンスクエアにて、学生たち4チームによる公開発表会を行いました。発表会には、大分県商工観光労働部 審議監 兼 観光局長 渡辺修武氏、JTB大分支店長 廣原 武史氏、山根友美サステイナビリティ観光学部准教授、HAPPIRISE代表 安藤龍之介氏(国際経営学部 2022年卒業)が特別審査員として招かれました。学生たちは講義とフィールドワークを経てまとめあげた観光活性化案を、審査員と聴講者に向けて発表しました。発表には、観光消費額の増加、地域資源活用、新たな切り口が期待されていたこともあり、瞑想に特化したツアープランや、魚釣り体験と差別化した密着型漁業体験、地元産業を活かした施設の新設など、個性的な案が打ち出されました。審査員からは手法や財源など具体的な質問が挙がり、各チームは考察を深めていました。審査の結果、学生団体の合宿誘致という学生ならではの切り口で、アンケート調査による根拠を挙げながら案をまとめあげたチームが優勝をおさめました。
本講座では、本年度から新たに「観光まちづくり」の具体的な取り組みとして、「商店街の活性化」を目標に設定しました。今回訪問した地域の中でもとりわけ佐伯市の商店街の衰退は著しく、教員の私から見てもかなりの難題だと感じていました。そのような悪条件にもかかわらず、学生たちからは私たちが思いもつかないような斬新なアイデアのみならず、それらアイデアを実現するための具体的な方策についても提案がなされたことに大きな感動を覚えた次第です。
じつは、今年度からは大分銀行さまに2022年に就職した私のゼミ出身でもある弊学の卒業生が本講座の運営担当に加わり、さらに座学や現地訪問にも卒業生のネットワークが活用され、学生たちと年齢の近いAPUのOBOGたちから知見やアドバイスを直接ご提供いただけたことが大きな成果につながったと感じています。
次年度以降も、今回の講座で新たにいただいたご縁やAPU卒業生ネットワークをさらに活かしつつ、大分地域の「持続可能な観光まちづくり」に寄与していけることを祈念いたします。