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APUの教員・学生が地域課題の解決に取り組む:臼杵の食文化の持続可能性を考える

教育プログラム|連携事業

2024/03/18

サステイナビリティ観光学部の須藤智徳教授と須藤ゼミの学生が、2023年の6月から9ヶ月にわたって、臼杵の食文化の持続可能性(サステナブル・ガストロノミー)について、調査研究に取り組みました。

臼杵市はユネスコ食文化創造都市に加盟し、臼杵市の“食文化“が世界的にハイライトされるようになっています。他方で、臼杵の伝統的な食文化が世界基準で見たときに「持続可能」といえるのか?との疑問が生じています。また、近年の若年層の地域からの流出により、食文化の存続が危惧されています。
この調査研究では、臼杵の食文化の持続可能性をアカデミックな視点からを評価するとともに、臼杵市民の地域への誇りと愛着の醸成と観光への活用戦略策定に貢献することを目的として実施されました。

この調査研究においては、「経済」「社会」「環境」の3つの持続可能性とその連接性を、それぞれの分析手法を用いて評価するとともに、学生は「健康的な食生活の確保」や「地域資源の循環性」、など、食の持続可能性に密接に関連する6つのテーマについて、チームに分かれて文献やデータを分析し、フィールド調査を行いました。
国際学生のチームは、自身の出身国の代表的でかつ臼杵の「きらすまめし」に類似するそれぞれの伝統料理が継承されてきている理由やその要因を分析し、臼杵の食文化との比較や応用可能性を評価しました。これらの調査研究の結果、臼杵の食文化が持続可能であることが示唆されました。
また、サステイナビリティに対する意識は特に欧州、富裕層に高く、歴史的にも臼杵市は欧州とのつながりが深いことから、こうした地域等を対象としたデスティネーション戦略を形成することが望ましいことが示唆されました。

2024年2月3日(土)には、臼杵市内でシンポジウムを開催し、調査研究の結果を広く市民に報告しました。高校生を含む参加者からは、「臼杵の郷土料理に新たな視点が得られた」、「臼杵の食文化が世界に通用するものだと知って誇らしく思った」、「臼杵の食文化の発展に貢献できるように、自分も頑張ろうと思った」等の意見が出されました。

この活動は、「令和5年度おおいた地域連携プラットフォーム進事業:学術的視点による臼杵市の食文化持続可能性の評価と観光資源としての活用可能性調査事業」として、大分県中部振興局や臼杵市役所、大分県立臼杵高等学校、および臼杵市内の企業等と連携し実施しました。



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