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Research Office Newsletter 2021年4月号を発行

学生生活|研究

2021/05/14

リサーチ・オフィスが定期的に発行しているResearch Office Newsletterの2021年4月号が公開されました。以下に抜粋した対談の他、複数の研究論文や教員による研究に関するニュースを掲載しています。

APUで日本語教育を担当している特任講師の大原哲史です。今回は、同じくAPUで日本語教育を担当している石村文恵特任講師と共同執筆した学術論文についてお話ししたいと思います。私達の論文は『Studies in Self-Access Learning(SiSAL)』誌に掲載されたもので、タイトルは「Emergency Remote Support at the Self-Access Learning Center: Successes and Limitations」です。この論文では、コロナ禍でAPUのSelf-Access Learning Center(SALC)がどのように学生の言語学習をサポートしたかについて考察しています。この記事を通してSALCと言語教育についてお伝えでき、今後より一層APUの言語教育に興味を持っていただけたら幸いです。

石村:
大原先生は2016年からSALCの日本語コーディネーターをしていて、SALCミッションの制定などにも関わってきましたね。
大原:
はい。SALCは、学生が自ら想い描く目標に向かって、生涯学習者として成長し続ける自律した言語学習者かつ自信に満ちた言語ユーザーとなるための支援をしています。そして、そのためには、学生が「言語能力」「学習者オートノミー」「異文化間能力」を養うことが大切だと考え、多様なサポートをしています。
石村:
そうですね。具体的には、まず、SALCでは「ピア・アドバイザー(PA)」と呼ばれる学生アドバイザーから個別にサポートセッションが受けられ、これは学生にとても人気があります。また、英語学習に関しては「ラーニング・アドバイザー(LA)」の英語教員とのサポートセッションもあります。
大原:
はい。そして、個別のサポートセッション以外でも、PAは様々なアカデミックなイベントと文化的なイベントの企画と運営をしています。
石村:
SALCは言語科目の授業のサポートという側面だけでなく、カジュアルな会話を通して新しい友達を作ったり、様々な言語でのコミュニケーション能力を伸ばしたりする「ソーシャル・ラーニング」をサポートするという側面もありますね。
大原:
石村先生がおっしゃる通りで、そのためにここ数年は学生が自由に他の学生やPAと会話やゲームを楽しめる「ソーシャル・ラーニング・スペース(SLスペース)」を構築してきました。授業の合間にSALCに立ち寄って友達と話したり、待ち合わせにSALCを使ったりと多くの学生がSALCの「SLスペース」を利用しています。このような様々な機会を通してSALCは学生の「学び」をサポートしていますよね。
石村:
はい。しかし2020年の春学期からコロナの影響で大学のSALCの施設が使えなくなり、SALCのサポートシステムも検討しなくてはいけなくなりました。SALCの英語コーディネーターとアカデミック・オフィスの方々と話し合い、オンラインでできるサポートをするということになりましたよね。
大原:
そうですね。それを私達が「Emergency Remote Support(ERS)」と名付けて、その成功点とリミテーションを考察したのが今回の研究ですね。
石村:
はい。ERSとは、コロナ禍のような緊急事態でもSALCで実施しているサポートを学生に提供するために、一時的にSALCのサポートをオンラインに変更して実施するシステムのことです。PAとLAとの個別サポートセッションやイベントは対面の代わりにZoomを使い実施しました。特にオンラインでの個別サポートセッションは、対面の時と同じように学生の言語学習をサポートすることができただけでなく、学生がコロナ禍で人とあまり会うことができない状況から感じる不安やストレスを解消するのにも役に立ったということがわかりましたね。

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Self-Access Learning Center (SALC)



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