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講演・シンポジウム|来学者
2016/06/24
立命館アジア太平洋大学(APU)は太平洋諸国6カ国の駐日大使カンファレンスを2016年6月10日(金)に開催しました。オセアニアウィークの重要イベントであるこの会議はオセアニア学生協会(OSA)によって企画されました。トンガ出身学生であるフナキカイツウさん(アジア太平洋研究科博士後期課程1回生)が司会を務め、会議では太平洋諸国の視点から気候変動を検証しました。
パプアニューギニア、トンガ、マーシャル諸島、フィジー、サモア、キリバスの大使及び外交代表が基調講演者として登壇し、前例のない気候変動がこれらの島嶼国に及ぼしている破壊的な影響に触れ、この変動が将来アジア太平洋地域にどれだけ脅威となるかについて話しました。
会場となったAPUコンベンションホールは、別府市をはじめ日本全国からの参加者で埋まりました。
コンファレンスの冒頭、APUの是永駿学長は、気候変動に関する問題について、行動を起こし、いい方向に変えていくよう、出席者に激励の言葉を述べました。
パプアニューギニアのガブリエル・ドゥサヴァ大使は、「コモンコール」というテーマで話し、同国の気候関連の問題の解決策を出す上でリーダーシップを取らなければならない、地域のいわば長兄としての自分たちの役割を強調しました。
その中での女性の役割について問われると、トンガのタニア・トゥポウ大使は、太平洋の母親のすごさや、どのように自然災害からの立ち直りを文化的価値として教えられているかについて詳しく述べ、この価値を教育交流を通じてもう一つの解決方法として共有することを提案しました。
マーシャル諸島のトム・ディー・キチナー大使は、移住となった場合にアメリカの居住権付与などを決めているアメリカとの自由連合協定について話しました。
続いて、フィジーのジュリア・コロボウ参事官が、国の島嶼開発戦略が地方政府の優先事項に影響を及ぼす外国政府の開発援助によって左右されているという懸念を述べました。
サモアのラプチャー・パガイアリィ参事官は、外交官であることのよい点と悪い点を述べながら個人的な経験談を話しました。 仙台のキリバス名誉領事であるケンタロ・オノ氏は、自分の国を見ることができなくなるかもしれないキリバスと太平洋諸国の子どもたちの将来を、一緒に考えようと聴衆に呼びかけました。
話題は深刻なものでしたが、APUという多文化環境は、世界中から来た学生達と共に、解決方法を模索するさらなる対話の場となるという希望を持って締めくくられました。
会議に続き、参加者はミレニアムホールでオセアニアウィークのグランドショーに出席しました。グランドショーは、メラネシア、ポリネシア、ミクロネシアの素晴らしい音楽と踊りが満載でした。その後パシフィックカフェで開催されたディナーレセプションでは、別府市の猪又副市長が大使及び外交代表を温かく迎え、学生が大使及び外交代表と直接意見を交わすことができました。
翌日、大使及び外交代表は大分知事を表敬訪問し、熊本大分地震での被害についてお見舞いの言葉を述べました。広瀬大分県知事はお見舞いへのお礼と、九州は困難な時にあって隣人と助け合うという点で太平洋と価値観を同じくすると述べました。大分県は2019年ラグビーワールドカップの開催地に選ばれており、広瀬知事はラグビー交流とトンガ、サモア、フィジーのナショナルチームのキャンプ地となることに強い関心を示しました。その後、一行は大分県立美術館と湯布院を訪れ、東京への帰路に着きました。