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講演・シンポジウム|研究
2025/12/23
2025年11月29日(土)、30日(日)の2日間、立命館アジア太平洋研究センター(RCAPS)主催による「アジア太平洋カンファレンス2025」(以下、APカンファレンス)を開催しました。英語で行われる人文社会系の国際学会として、日本最大規模を誇るAPカンファレンスは、世界の研究者に研究成果発表の機会を提供することを目的に、2003年から毎年開催しています。本カンファレンスでは、アジア太平洋地域とこれを取り巻く世界が直面する課題を学術的に議論することにより、本学が掲げる「Shape Your World」の実現に貢献することを目指しています。
今年は、「協調の再発見〜断片化する世界の中で〜」というテーマのもと、43か国・地域から約300名を超える参加者が一堂に会し、2日間に渡り全67セッション(研究者発表45、学生発表22)が繰り広げられました。参加者は京都大学、早稲田大学、エディンバラ大学、ワルシャワ大学など、国内外の60を超える大学等から集いました。
米山学長は開会挨拶の中で、「私たちは、協力を必要とする地球規模の問題と、ますます分断が進む世界という根源的な対立状況に直面している。この2日間のパネルディスカッションに参加する際に、単に断片化を分析するだけでなく、協力を積極的に実践し、ネットワークを構築すること、分野や国境を越えて共通点を見つけ、新しい知識だけでなく、新しいパートナーシップも携えましょう。そして一緒に協力を再発見しましょう。」と、参加者へ呼びかけました。
今年の基調講演は、「Forging Cooperation in a Fragmented World」のテーマで、本学卒業生で、現在、国連先住民族自主基金事務局人権オフィサーのMorse Floresさん(アジア太平洋学部 2006年卒、フィリピン)が登壇されました。Floresさんは講演の中で、「分断は避けられないものではなく、このような時代だからこそ、対話、信頼構築、協力の道を再発見する必要がある。アジア太平洋地域は、深い多様性と、協力を通じた平和促進におけるリーダーシップの計り知れない可能性を兼ね備えた地域である。協力の再発見は、教室、研究室、地域社会での選択から始まる。断片化する世界にあっても、協力は依然として人類の最大の資源であり、平和への最も確実な道である。」と述べました。講演後は、参加者より積極的に質問が投げかけられ、終了後もFloresさんを囲んでのディスカッションがしばらく続きました。
分断の時代において、数十ヶ国の学者、実務家、学生が知識を共有するために集い、ネットワークを構築するこのカンファレンス自体が、協力の可能性を体現しています。
参加者からは「幅広い分野の研究発表が行われており、専門外のテーマについても議論を交わすことができた。知見を広げる貴重な機会となった。」といった感想が多数寄せられました。APUは今後もこのような研究発表の機会提供を通して、社会課題の解決に貢献してまいります。