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講演・シンポジウム
2026/09/03
2026年8月20日(木)、立命館アジア太平洋大学(APU)において、第75回全国高等学校PTA連合会大会 大分大会の第3分科会が開催されました。本分科会では「ダイバーシティの力 多様性の中ではぐくむ地域・人材・未来」がテーマに設けられ、全国から集まったPTA関係者ら約600名が参加しました。当日は米山裕学長による挨拶で幕を開き、サステイナビリティ観光学部の大橋弘明教授による基調講演に続き、行政、観光、学生それぞれの立場から多文化共生について考えるパネルディスカッションが行われました。
開会にあたり米山学長は、さまざまな世界的課題に直面する現代社会において、多文化共生の重要性はますます高まっていると指摘しました。そのうえで、多様な価値観との出会いには戸惑いや摩擦も伴うものの、それを自然なこととして受け止め、対話を通じて理解を深めることが重要であると述べました。米山学長は高校生の保護者や教育関係者に向けて、「国際教育を特別なものととらえず、まずは若い人たちと一緒に、外国をルーツにする人々と言葉を交わすことから始めてほしい」と呼びかけました。


続く基調講演では、大橋教授が「グローバル時代のサステナブルな都市づくり ~将来世代参加による多文化共生を目指して~」をテーマに、今後の都市づくりにおける多様性と包摂(インクルージョン)の重要性を語りました。大橋教授は、多文化共生は異文化の存在を認めるだけではなく、積極的な交流や対話によって新しい価値を生み出す段階へ進むことが大切であると指摘しました。そのうえで、このような視点は日本においても将来の地域社会を支える上で不可欠となるため、こうした相互作用を促進するグローバル人材の育成が重要であると強調しました。さらに、APUを「多文化共生を実践する場」と位置づけ、学生たちが多様な価値観を理解し協働する力を育んでいる事例を紹介しました。講演の最後には、グローバル人材育成、多文化共生、サステナビリティの追求は循環的につながっており、大学だけでなく家庭、学校、地域、行政、企業が連携して将来世代を支える重要性を強調しました。
その後、公益財団法人ツーリズムおおいた 地域マネジメント部長の三浦孝典氏、校友で京都市総合企画局国際都市共創推進室の林将央氏(アジア太平洋学部2024年春卒業、日本)、サステイナビリティ観光学部4回生のシェリンミシェル映里花さんの3名のパネリストが発表を行いました 。シェリンさんは、APハウスでの共同生活や、多文化協働ワークショップ(MCW)でのファシリテーション活動を通じて、多様な背景を持つ人々と対話を重ねることで、違いを乗り越え、新たな価値を創造する力を身につけたと語りました。林氏は、国際交流は制度そのものではなく、人と人との関係性によって初めて価値を生み出すと説明したうえで、行政の立場からも、多文化共生を推進するためには対話を通じた相互理解と、地域住民を巻き込む取り組みが重要であると述べました。三浦氏は観光分野の視点から、国籍や言語、宗教、食習慣、年齢や障がい、性的指向など、多様な利用者を理解し対応することの大切さを指摘しました。誰もが快適に旅行できる環境整備を目指す「バリアフリー観光」の推進事例などを交えながら、相手の立場や背景を理解しようとする姿勢が地域の魅力向上につながると語りました。そして、基調講演と3名の発表を踏まえ、「多文化共生によるサステナブルな地域づくり~多様性を包摂するAPUとともに~」をテーマに、大橋教授がコーディネーターを務めるパネルディスカッションが行われました。登壇者それぞれの経験をもとに意見交換を行い、会場の参加者も交えながら、多文化共生と持続可能な地域づくりについて議論を深めました。