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ヒューマンライブラリーを知っていますか?直訳すると「人間図書館」、あるいは「人を貸し出す図書館」。障がいのある人やLGBTQ当事者など、社会的マイノリティとしての背景を持つ人が、自らの経験を語る「本」となり、来場者である「読者」と対話するイベントです。偏見や先入観を乗り越え、相互理解を深めることを目的として、2000年にデンマークの人権活動家によって始められました。現在では、世界各地の大学や図書館、地域コミュニティで広く開催されています。
昨年7月、APUで、このヒューマンライブラリーを開催するグループ「APU Human Library」が誕生しました。立ち上げたのはアジア太平洋学部2回生(当時1回生)の陶山祐羽奈さん。社会的少数者だけでなく、何かしら生きづらさを感じている学生に対象を広げ、SALC(言語自主学習センター)で月1~2回程度開催しています。
きっかけは、「異文化間コミュニケーション入門」の講義。筒井久美子 教育開発・学習支援センター教授がヒューマンライブラリーを紹介し、学生は4~5人のグループに分かれて模擬体験したとき、「これ、面白い!」と感じた陶山さん。「この活動がAPUに広がれば、気持ちが少し楽になったり、心を落ち着けられたりする人がいるのでは」と考え、活動を始めることにしました。同じ講義でヒューマンライブラリーに関心をもった学生を中心に、約10人でグループを発足。「活動はできるだけオープンな形に」という思いから、あえてサークル化はせず、必要に応じて自由に参加できるスタイルをとっています。
APU Human Libraryでは、過去に差別や偏見を受けた経験がある人や、生きづらさを抱えてきた人、あるいはそれを乗り越えようとしている人たちが「本」となり、読者となる参加者に自身の物語を語ります。
特徴的なのは、「本」が一方的に話すだけでなく、読者も自由に質問したり、他の読者と対話したりできる点です。その場にいる全員でつくる対話の空間が、人と人との距離を自然と縮めていきます。参加者は、自分と似たような境遇や感情に共感する話に出会うこともあれば、まったく経験のない話に触れることで、自分の視野や世界を広げるきっかけを得ることもあります。
その②へ続く
こんにちは!アジア太平洋学部(APS)4回生、国際関係専攻(IR)のなつきです。APUで経験した面白いことや、新たな発見、出会いなど紹介して、皆さんの日々の生活にインスピレーションをお届けできればと思っています。よろしくお願いします!