学生ブログ

難民という言葉のない世界を創るVol.2 ~難民写真展より~

読了時間: 3分

【難民という言葉のない世界を創るVol.2- 生命躍動の奇跡】
日時:2019年12月9日(月) ~ 14日(土)
主体団体:難民という言葉のない世界を創る(上原ゼミ+ボランティア)

「難民という言葉のない世界を創る」というミッションを掲げ、2019年で第二回目を迎える難民写真展がAPUで開催されました。
この写真展では世界各地で様々な理由から行き場をなくし、離れ離れにならざるをえない状況に置かれた親子、難民選手団としてオリンピックの場で活躍する選手の姿など、様々な目的を持ち、故郷を離れた場所で生きる様を捉えた写真が並びます。

国連が2019年に発表した数字では、今、世界で7000万人以上の人々があらゆる事情によって避難生活を余儀なくされています。少しの希望を抱えながらゴムボートで海を渡り、島に漂着している人々も増え、多くの人にとっての「生き残りの闘い」となっていると言われています。
自国を追われた全難民が安全な地にたどりつくまでの移動距離は、年間で総計20億km(2016年,UNHCR)と言われています。遠く離れた場所で今もなお賢明に未来を探し、海を渡る人々がいます。

難民の数はシリアが一番多く、国内避難民の数は約670万人(2018年, UNHCR)に上り、毎年約100万人がヨーロッパに渡っています。2011年のシリア危機が勃発し、戦闘、空爆、破壊が市民を襲い、約25万人が亡くなり、約1,100万人が国内外で避難生活を余儀なくされました。(NGO AAR Japanの調査より)
ヨーロッパの玄関口であるトルコは、世界で最も多くの難民を受け入れています。
シリア難民がトルコに押し寄せた当初は、近所に住むトルコ人は生活必需品である食料や毛布などの提供を行っていたそうです。しかし、難民の数が増え、生活が長くなるにつれて市民からは反感の目を向けられるようになりました。トルコの隣の国であるギリシャへも、難民の数は増え、居場所を見つけるため、難民申請を受けるため、市民権を得るため等、様々な理由から海を渡っています。

写真展の一部作品には、毎月平均850人以上に相当する7,000人以上の危険な海の旅をした子どものほとんどが、密集した安全でない施設に収容されることもあると書かれています。

写真展を観覧した際に、APUの在学生であり、「難民という言葉のない世界を創る Vol.2」代表を務める、浅野凪咲さんにお話しを伺いました。
浅野さんは、「この写真展を通して人間の力強さ、生命力を感じてほしい」と仰いました。

また、飾られていた一枚の絵について聞くと、「この絵は湯布院で、ある絵描きの方にお願いをして書いていただいた作品なんです」と教えてくださいました。

描かれていた言葉の中に、”ひとすじの希望を一直線に見つめ 持てる限りの力を尽くし 渾身の願いとともに前進する” とあり「まさにその通りで、希望を求めて懸命に生きようとする彼らの姿から人間の力強さを感じるんです。」と浅野さんは言います。

展示写真の中には、2016年に難民選手団として歴史上はじめてオリンピックという場で活躍する選手の姿がありました。シリアや南スーダン出身の選手約10人が、競泳、陸上、柔道の競技に特別出場し、未来を見つめる彼らの目に世界中の人々が胸を打たれました。

一人一人が何を思うのか、何を感じるかは様々です。一枚一枚の写真の背景には、困難の中にありながらも可能性を拓き、真っすぐ生きる一人一人のストーリーを感じたとともに、未来の世界を変えていく強さを感じます。

世界で猛威をふるう新型コロナウィルスの影響は難民支援にも影響をもたらしています。国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)は、世界各地で故郷を追われた人々からコロナウイルス感染を防ぐための支援活動を呼びかけているので、チェックしてみて下さい 。

UNHCR(日本)の公式HP:https://www.unhcr.org/jp/
UNHCR公式HP(英語):https://www.unhcr.org/
数字で見る難民情勢(日本語)https://www.unhcr.org/jp/global_trends_2018

古森 真麻
古森 真麻

皆さんこんにちは。古森真麻です。私は奈良県で生まれ育ち、2年間半の高校生活をアメリカのメリーランド州で過ごしました。週末は映画を観たり、温泉に行ったり、たまに登山をして過ごしています。2019年10月に由布岳に登り、次は九重連山に登頂することが目標です。SPAとしても今よりもっと広く楽しいものを発信していきますので、宜しくお願いします。




  • LINEで送る

PAGETOP