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私はAPUに入るまでの3年間、日本語を勉強しました。母国であるベトナムでは、日本で勉強した経験のあるベトナム人の先生や、東京や千葉出身の日本人の先生、そして交換留学でベトナムに来た日本人の学生にも教えてもらいました。言語を学んだ経験は豊富にありましたが、いまだに新しい語彙を覚えるための最も効率的な方法を見つけることができないままでした。日本語をマスターするのに苦労していた私にとって、流暢な日本語会話は夢のように思えていましたが、それはAPUで高田亮先生の日本語中上級コースに入って変わりました。
サンフランシスコで言語教育の修士号を取得した高田先生は、APUで7年間日本語を教えてきました。語学への関心が高く、留学中に語学を学んだ経験がある高田先生がいつも心がけているのは、外国人留学生の日本語学習の動機付けをいかにしてサポートするかということです。授業の最初の数週間、先生は日本語だけを使って、文法や漢字、そして文化情報などについて説明しました。先生が英語を避けていたため、クラスの学生たちは、先生は英語を使うことが苦手なのではないかと思っていました。日本語だけでは「状態」と「状況」の違いが把握できずに受講生が困っていたある日、先生が突然流暢な英語に切り替わり、クラス中の人を驚かせました。
授業が終わった後、勉強で困ったことがあったときに学生が先生に相談しやすくなるのではないかと思った私は、先生が英語を話せることを言わなかった理由について聞いてみました。すると先生は、「私は日本人が通常話すほど早口ではなくても、あなたが毎日授業に来て私の日本語を聞いてくれたら、それがネイティブの日本語のスピードに慣れる助けになり、より多くを習得できるようになればと思います。」と親切に答えてくれました。彼の言語への洞察力は、学生の興味をかき立て、私たちの上達を後押ししてくれました。この高田先生とのちょっとした会話から、私の日本語学習のモチベーションが上がりました。日本語を母国語とする人たちに囲まれた日本で日本語を勉強できることは、またとない機会だったということに気づいたのです。
高田先生は私たちに新しい言葉を学ぶことを優先するように言いました。新しい言語を学ぶには様々な側面があります。それは、広大な海の中を泳いでいるようなもので、誘導する灯台がなければ学生は簡単に迷子になってしまいます。ありがたいことに、高田先生はまさしくその灯台のように、新しい表現を与え、私たちが適切な文脈でそれらの表現を使えるように手助けをすることで、私たちの語彙を増やす助け舟となって、私たちの道を照らしてくれています。その結果、日本語能力というとらえどころのない目標が、かつてないほど身近に感じられるようになりました。
高田先生は、また、新しい言語へのアプローチの仕方を変えてくれました。新しい語彙を与えてくれただけではなく、それらの単語をどのような文脈でどのように使うべきかを教えてくれました。例えば、「状態」という言葉を教えるときには、健康状態、平和である状態、もしくは会社の状態(経営状態)などを表すときに、この単語を使うことができると説明してくれました。これだけ多くの関連した例を提供してもらえたことで、新しい語彙をより早く使えるようになりました。APUで日本語を勉強する最大のメリットは、英語を話せる日本人の友達に囲まれていることです。新しい言葉を覚えるたびに、友達との会話ですぐに試すことができます。友達が積極的に添削してくれるので、正しい文脈で正しい言葉を使う能力を驚くほど高めてくれています。
入学時には複数の言語を話すことができた私でも、自分に合う学習方法を見つけるのに苦労しました。新しい言語を学んだことがない人にとってはなおさら難しいはずです。私の場合、適切な場所に来て、適切な人と一緒に勉強したことで、自分の学習経験が大幅に向上しました。
私の経験が、皆さん自身の経験の向上に少しでも貢献できればと、心から願っています。
★コロナウィルスの影響による移動制限の中でも、APUをより身近に感じてもらえることを願って、SPAメンバーが交代でコラムをお届けします。