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モロッコの受験制度-大分合同新聞「APU発世界の窓」

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複数年分の成果を累積評価伝

日本では、これから受験シーズンを迎える。来年1月の大学入学共通テストまで3カ月を切り、受験生たちは緊張の毎日を過ごしていることだろう。

一方、わが国と受験制度が異なっているのがモロッコだ。同国出身のマルワンによると、「バカロレア(バック)」と呼ばれる、大学や専門学校に進学するための資格試験があるという。名称はフランス語に由来し、1度の試験結果で合否が決まるのではなく、複数年にわたる評価の積み重ねによって最終成績が算出されるというもの。
主な点数の配分は、高校2年次の終わりに実施されるフランス語、アラビア語などの科目テストの成績が全体の25%。3年次は数回の定期試験分25%、学年末の全国試験においての専門科目(経済学、組織学など)と一般科目(哲学、数学など)の計50%が加算される。つまり、日常的な学びと試験の成果が累積して評価されるのだ。

同国の高校生たちは1年次からバックを意識し、長期的な視野で学習計画を立てている。この仕組みのおかげで、「早くから将来を見据えて勉強に向かう姿勢が自然に身に付く」と彼は言う。

どの国でも、未来をつかもうとする若者の姿はまぶしい。形式は違っても、緊張しながら机に向かう時間は、世界中で同じ熱を帯びているのかもしれない。

友達と一緒に全国試験に臨むマルワンさん(左から2番目)2021年5月

友達と一緒に全国試験に臨むマルワンさん(左から2番目)2021年5月

ヤルタウイ・マルワン

ヤルタウイ・マルワン
ニックネーム:マルワン
大学院アジア太平洋研究科2回生

(大分合同新聞2025年10月28日朝刊掲載)

学生広報スタッフSPA(Student PR Assistants)は、APUと大分合同新聞による包括連携協定に基づき、2022年1月より、大分合同新聞朝刊「くらし・文化」面へ、インタビュー記事を連載中です。学生ならではの視点で、各国の文化やその時に気になる話題などを等身大でご紹介していきます。新聞読者層や、APUを目指す高校生などの、世界への興味関心を高めるきっかけづくりや、プロの編集者と協働することによる学生のスキルの向上を目指しています。

今瀬雅
今瀬雅

!Hola¡ 興味あることは全部まず挑戦してみたいみやびです!スペイン語圏と教育分野に関心があります!個性的なAPU生活の魅力だけではなく、23年秋から行くスペイン交換留学についてもSPAを通して発信していきたいです!!




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