検索ワードを入力してください。
読了時間: 2分
結婚式、式典などフォーマルな場面で広く着用されるフィリピンの男性用伝統服「バロンタガログ(バロン)」。大統領や政府関係者らも外交の場で着ることが多い。この衣装ついて気候、産業、歴史の面から、首都マニラ出身のジョンに話を聞いた。
フィリピンは、世界有数のパイナップルとバナナの生産国で、バロンは主にこれらの繊維から作られる。長袖ながら軽く、通気性に優れているため、高温多湿の気候に適しているそうだ。
その起源は16世紀にまでさかのぼるとみられる。当時の人々がよく着ていたシャツに、植民地として支配したスペイン人によって西欧の文化が加えられ、幾何学模様の刺しゅうを施すようになった。以来、デザインは時代と共に変化。現在の姿になるまで、歴史の変遷と密接に結び付いているという。
幼少期から着用してきたというジョンは、「国を代表する伝統文化であり、アイデンティティーを示す大切なもの」と誇らしげに語った。日本にも持参し、最近では大学のイベントでも着ていて、袖を通すと背筋が伸びるんだとか。
この春休み、私は現地を訪れた。実際にバロンを見かけ、その繊細な刺しゅうや、軽やかな生地に魅了された。風土に根差した衣装が、今も人々の誇りとして受け継がれていることを実感した
福岡県で開催されたイベントに伝統服で参加したジョン(左)
イドス・ジョン・レイ・サダン
ニックネーム:ジョン
アジア太平洋学部3回生
(大分合同新聞2025年4月22日朝刊掲載)
学生広報スタッフSPA(Student PR Assistants)は、APUと大分合同新聞による包括連携協定に基づき、2022年1月より、大分合同新聞朝刊「くらし・文化」面へ、インタビュー記事を連載中です。学生ならではの視点で、各国の文化やその時に気になる話題などを等身大でご紹介していきます。新聞読者層や、APUを目指す高校生などの、世界への興味関心を高めるきっかけづくりや、プロの編集者と協働することによる学生のスキルの向上を目指しています。
こんにちは!アジア太平洋学部(APS)3回生、国際関係専攻(IR)のなつきです。APUで経験した面白いことや、新たな発見、出会いなど紹介して、皆さんの日々の生活にインスピレーションをお届けできればと思っています。よろしくお願いします!