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1回生国際学生がベンチャー・ビルダーでインターンシップに参加

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私について

ベトナム出身のZoeyです。現在国際経営学部で会計とファイナンスを専攻する2回生(4セメ)です。昨年の私のインターンシップ体験をご紹介します。

私がこのインターンシップに参加したきっかけと条件は?

9月入学の1回生を終える前の夏休み向けに、APU起業部から「Venture Life Challenge」という、九州大学主催のインターンシップの募集案内を手に入れました。APUは九州大学の次世代アントレプレナー育成事業の協力校であり、APU生も対象となっていました。
九州大学のQREC事務室が毎年開催するこの2週間のプログラムは、九州地域で新たなスタートアップ企業と学生をマッチングし、日本での実務経験を提供するものです。私は、東南アジアと日本でベンチャー企業を立ち上げている「REAPRA Japan」に応募し、主に言語学と工学を専攻する他の3人の学生に加え、東京から来られたHR業界の専門家渡辺康彦氏、シンガポールから来られた投資部門の責任者Priscilla Han氏(以下、プリシラさん)と一緒に働くことができました。

プログラムはすべて英語で行われます。応募もレジュメ(英文履歴書)を提出し、シンプルな募集要項への記入で完了します。専攻や学年も問わずに応募できるものでした。

インターン生活の予想と現実

ハリウッド映画では、インターン生は一日中コーヒーを買い出しに行くような雑用を頼まれてばかりで、ストレスフルでちょっと見下された大学生として描かれることがありますよね。
でも実際は、単純作業もあるものの、一定の自由裁量権を与えられた中で自分の課題をこなし、一日の終わりに自分なりのアウトプットを出すことができました。職場のみなさんは、私たちインターン全員がついていけるように配慮してミーティングを効率化したり、セッションの外でも質問しやすくしてくださったりしたので、私には学びを得られている感覚がありました。

また私たちは週の半分を費やして、プリシラさんによるトレーニングやシェアリング・セッションを受け、ベンチャー・ビルダーの基本概念やReapraの理念を学びました。その後、短期間であったため、私の担当範囲は主に潜在的な創業者や新たなスタートアップに対するPRとソーシング戦略でした。
基本的には、SEAと日本におけるターゲット層と起業トレンドを理解し、メディアでのプレゼンスを高めるための具体的なキャンペーンやアイデアを練り、製品の有無にかかわらず起業家のデータベースを収集することです。

Reapra Japanの哲学と手法から得たもの

私は他にもインターンシップの経験がありますが、今回が最もユニークな経験でした。ベトナム出身の私は、ビジネスの一番の動機はお金だという考えが強いため、この企業の理念に共感できない部分がありました。ベンチャー・ビルダーであるReapraは、財務面の数字指標ではなく、創業者やスタートアップの人間性を重視している点です。
しかしプリシラさんとのランチトークの中で私の考え方は大きく揺るぎました。彼女はインターン生に、奇妙にも思えるような質問を次々と投げかけたのですが、後で実は、私たちの人格や行動を理解するためだったと話してくれました。私たちの幼少期からの過去の経験から培われたものを掘り下げたのです。そこにはReapraの企業選考過程と共通するものがありました。
現在の資本主義の問題は何でしょうか?それは富と貧困の格差を拡げるものでしょうか?この企業はこのような問いに取り組んでいます。長期的な成長を視野に入れていた数十年前の企業とはことなり、現在のスタートアップは目先の問題のために急成長を目指すことにとらわれ、消耗してしまいがちです。Reapraは、これが持続可能なビジネスの手法ではないと信じているため、5〜7回の面接を経て、創業者の内在的な価値観と動機を過去・現在・未来を通じて深く理解し、6〜10年という長期間スタートアップと共同で持続可能な産業を創り出します。

このように、ビジネスの理解以上に、このインターンシップは私の考え方や行動の盲点を示してくれました。最終日、私は2週間で大きな結果を生み出せないまま、彼らの時間をとても使ってしまったという罪悪感を告白しましたが、プリシラさんは私に言いました。「創業者からよく質問されます。なぜ私たちはそんなに多くを与え、対価を得ることなく彼らと6ヶ月過ごしたのか?それこそが私たちの姿なのかもしれなません。」私はこのインターンシップに取り組む際、私が労働力を提供する側であるべきだという考え方で臨みました。この「エゴ」は悪いものではありませんが、私の思考の範囲を狭めてしまいます。実際には、Peapraの具体的な進め方について私が混乱したことによって、チームは外部へのコミュニケーションをさらに考えるきっかけとなりました。さらに、私のベトナム人としての文化的な視点は彼らに市場に関する貴重な洞察を提供しました。

まとめ

APUには、日本の産業界を肌で感じられ、日本の未来につながるイノベーションに参加するインターンシップ先が多く用意されており、特にグローバルな才能のある学生にはぴったりです。「1回生だから。」「自信がないから。」とあきらめてしまわず、どんな機会もつかんでいかなくてはいけません。

このプログラムに参加して、私は日本のスタートアップ・エコシステム(スタートアップの成長に必要なネットワーク)への情熱にかきたてられました。私の専攻であるファイナンスの知識やスキルを活かして、ダイナミックで進化し続ける環境で働きたいのだと気づけました。

※プログラム内容は募集年度によって異なります。

Do Ngoc Minh Thu
Do Ngoc Minh Thu

こんにちは!ベトナム出身のゾーイ(Zoey)です。国際経営学部(APM)会計・ファイナンス専攻(A&F)ですが、数字だけでなくライティングや色んな人と話すのが大好きです。学生ブログのほかに4年のブログ経験があり、これからはAPUで深めた見識をここで文章にできるのが嬉しいです。ぜひよろしくお願いします。




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