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卒業生インタビュー Vol.9「始まりは音楽フェス。アパレルからサステイナブルな社会の実現へ」

読了時間:5分

在学中の活動をきっかけに、卒業後から現在までアパレル業界で活躍されている高橋さん。目の前の出来事を敏感にとらえ、考え、自らの感性に素直にキャリアを切り開いてこられました。

【卒業生プロフィール】

氏名:髙橋龍宇さん
卒業年:2012年 アジア太平洋マネジメント学部(APM、現国際経営学部)
大学時代の活動:交換留学準備プログラム「スーパー留学コース(SRC)」、別府ミュージックフェス(BMF)
現職:日本環境設計株式会社(BRING)勤務

なぜAPUを選んだのですか?

親の仕事の関係で幼少期をシンガポールで過ごしました。8歳で帰国してからの10年近くは、育ってきた環境と日本での生活の違いを心のどこかで感じていました。その違いというのは言葉にはできなくて、本能的に感じたものです。そのような背景もあり、大学を選ぶときには、世界中から学生が集まる国際的な大学であるAPUしかないと思って受験しました。

交換留学に向けてどのような勉強をしましたか?

留学を目標に、「スーパー留学コース(SRC)」というコースで毎週勉強しました。それ以外では週3〜4日、2〜3時間くらい一人で勉強しました。

なぜ留学先をオーストリアにしたのですか?

TOEFLの獲得点数の関係もあり、選択肢も決して多くなかったのですが、オーストリアの留学先には日本人がほとんどおらず、せっかくならそのような環境で学びたいと思い選びました。また当時は観光に興味があったので、観光業に力を入れているところに魅力を感じました。

交換留学で一番良かったことはなんですか?

学術面で得ることもありましたが、一番大きかったのは内向的だった性格が変わったことです。まず僕は、自身の性格がネガティブに働いてしまい、言語を習得するのに半年間かかりました。留学した人達からは2〜3ヶ月で英語がわかるようになると聞いていたので、想像と違って本当にきつかったです。それでもめげずに、誘われた集まりには積極的に参加しました。するとある日、Excursionという現地学習(フィールドスタディ)のバス移動で、友人たちの会話が自然と頭に入ってきたんです!そのとき世界との距離が一気に近づいた感覚を得られました。以降は交友関係が広がり、学習への理解も深まっていきました。自ら行動・発信しない限り相手には伝わらないし、行動に移してもらえない。その事実にも気づくことができ、積極的に行動しようと性格が変わったと思います。

学生生活で一番思い出に残っていることはなんですか?

最も長く、密な時間を過ごした「別府ミュージックフェス(BMF)」という団体活動です。2010年春頃、親しくしていたバンドサークルのメンバーから誘われ、「野外フェスを別府でやろう!」と立ち上がった20人前後の有志によるサークルです。地元別府から大分、福岡の企業に協賛金を募り、わたしは飲食ブースの担当として、保健所や地元飲食店への出店依頼などを担当しました。他チームは、九州に限らず東京の事務所への出演者依頼や大学側との調整をしており、結果、開催までに1年以上の時間がかかっていました。そして2011年夏、APUのグラウンドにステージを立て、ついに野外フェスを開催することができました。熱量のある仲間・環境に囲まれていれば、時にはモチベーションが下がろうとも、いつかは目標を達成できるのだと思いました。

今のお仕事にはどのような経緯で就職しましたか?

先ほどお話ししたBMFでメンバーTシャツを制作したのですが、そのタグを見て志望したのが、新卒でお世話になったトムス株式会社でした。いわゆる「無地のTシャツメーカー」です。その後2回の転職を経て、現在の会社の方に誘われて入社することになりました。それまでアパレル業界に従事していましたが、服はいくら環境に配慮して作られても、小さな汚れや穴が空いていたり、シーズンが終わり売れ残ったりしたら、埋め立てや焼却により廃棄されてしまいます。新卒でお世話になった会社では、中国、バングラデシュ、インドなどアパレル製造国の現場を見てきましたが、「毎日8時間縫いつづけても、売れなかったら廃棄される運命」にどこか違和感を抱いていました。そんななか、いまの会社に出会いました。「半永久的にリサイクルし続けられるテクノロジーで、服から服をつくる」という取り組みに挑戦している企業は、世界でも唯一無二です。そこにとても惹かれました。

これから先、どのような未来を描いていますか?

地球環境は待ったなしの状況です。直近の目標としては、地下資源を使った従来型のアパレル製品への警鐘を鳴らすとともに、循環型アパレルの海外販売メンバーとして動けるようにキャリアを広げていきたいと考えています。その手始めとして、コロナ禍でスケジュールが遅れましたが、やっと米国、ベルギー店舗での販売がスタートしました。世界中の人に、洋服は“捨てるもの”ではなく“リサイクル”できて、更にそこから“作る”世の中になっているということを発信していきたいです。

最後に、在校生へメッセージをお願いします。

服はまた資源になります。そのような文化はもうすぐ定着します。これをお伝えしたいです。世界中で作られた服のおよそ半分は、着られないまま廃棄されます。(東京タワー換算で、なんと毎年23,000塔分の重さ!)この日本環境設計株式会社(BRING)という会社を知っていただき、服は捨てるのではなく、リサイクルに回してもらえると嬉しいです。

また在学中には、APUの他にはない国際的な環境を存分に活かして、学んでください。社会に出て必ず役に立つと思います。「日本では自分の個性が出せない」と感じる方は、僕のように交換留学をして、海外で生活するのも良いと思います。

Loop.A.S. インタビュアー

名前:甲斐 加寿代
学部:APS
こんにちは!APS3回生の甲斐加寿代です!私は最近、自宅のベランダで外を見ながら過ごすことが日課です。課題をしたり映画を見たり自然に触れることができてとても心地よいです!

Loop.A.S.
Loop.A.S.

”LOOP”で始まる名前が物語るように、学生団体「Loop.A.S.(ルーパス)」は、APUの卒業生(校友)と在校生を結びつけ、様々な活動やイベントを通じてAPU生にチャンスを広げることを目指して活動しています。APU校友会と協力して、校友と学生が出会い、知識を共有し、在学中や卒業後のより良い生活について理解を深められるような機会を作っています。
学生ブログでは、Loop.A.S.による校友へのインタビュー記事を転載しています。




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