2018年度 科学研究費助成事業による研究 No.1

研究課題:教育的ダーク・ツーリズムの謎の解明:戦時下において敵対する関係にあった国家間の戦争遺跡を通じた戦争ナラティヴのパッケージング及び受け入れ方のメカニズム比較分析

研究代表者:吉田 香織

研究内容

本プロジェクトの目的は戦争ナラティヴ及び解説がどのように構成され、紹介され、伝達され、受け入れられるかを、次の世代のために作られたダーク・ツーリズムの主要なカテゴリーである「教育的ダーク・ツーリズム」の記憶形成のメカニズムを探ることによって明らかにすることである。20世紀の主な戦争で敵対する関係にあった国家の3組を比較することによって、時間的、文化的、地理的な側面から教育的ダーク・ツーリズムの概念化と制度化を検証する。

研究動機

教育的ダーク・ツーリズムの商品化においてツーリズム産業が進化してきた一方で、教育的ダーク・ツーリズムの商品化の工程と、メカニズムに関する研究は約半世紀後れをとっている。教育的ダーク・ツーリズムは社会的政治的文脈がどのように記憶形成のプロセスを特徴づけるかを反映している。この3年間行ってきたダーク・ツーリズムの踏査研究では、ツーリズム・オペレーションの異なる側面からの異なる状況における記憶形成のメカニズムの理解を深めるためには、ダーク・ツーリズムのよりテーマに焦点をあてた研究が重要であることがわかった。これにより、本プロジェクトは教育的ダーク・ツーリズムのメカニズムがどのように、時間的、文化的、地理的な側面から異なる国々で戦争ナラティヴの構成、パッケージング、伝達、受容に働きかけるかを検証する。

研究の特色と意義

本研究は、ツーリズム、歴史教育、文化政治研究を融合する非常に包括的なアプローチで、ダーク・ツーリズム研究の本サブ・カテゴリーの理論的及び方法論的確立に大いに貢献する可能性がある。研究結果は20世紀の主要な戦争における相反する記憶に関する理解を深め、未来へとつながる形でダーク・ツーリズムの発展を支えるであろう。


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