2017年度 科学研究費助成事業による研究 No.6

研究課題:Sustainable CSR Enterprise and Rural Community Business Models

研究代表者:DRUMMOND Damon

研究内容

この研究は企業の社会的責任(CSR)と地方農業のコミュニティ・ビジネス(CB)の関連を検証しつつ、日本、韓国、北欧とイギリスを含めた4つの地域における持続的な地域振興や地方の不況に歯止めをかける取組みを検証するものです。具体的には企業関係によって構成される枠組みや取り組みをはじめ、各地域の自治体間の協力関係、NGOやNPOの支援者等の役割を定義付け、比較・検討を行う内容です。有効なCSRサポート・プログラム実践するためには、企業と地方社会の双方が金銭的利益以外のメリットを共有することが不可欠であり、その条件が満たされれば様々な活動から生じた成果や結果はすべてプラスになるというひとつの仮設を立てます。例えば、地方社会の観点での「メリット」は経済活動の活性化、社会的認知の向上、外部者との情報交換や資源開発という形で現れることが考えられます。一方、企業にとっての「メリット」は、地方社会の欠点やその他の課題の改善への寄与が代表的なCSR活動のひとつになります。さらに、企業の従業員のモラルやモチベーションの向上もさることながら、地域や社会全体との信頼関係の構築にもつながるものです。

研究動機

私はわずか一世代の間に社会が次第に都市化するのを目の当たりにし、また地方農村地域の育ちでもありますが、都市部以外の暮らしが困難になり、地方社会が少しずつ廃れる現状を残念だと感じています。この課題の認知度を高め、より多くの人々を共感させ、参画させようとする取組みには勇気付けられます。しかし、この分野において、とりわけCSRと地方農業CBとの関連を検証する研究はほぼ未着手です。この状況に鑑み、この領域をさらに掘り下げることにしました。

研究の特色と意義

この研究では、NPO支援者、共済組合やその他支援NGO団体の起業過程、リーダーシップと役割を検証し、あらゆる協力体制を特定することで、実例に応用できるようにすることに貢献できるのではないかと想定しています。組織の機能は各CB地域が直面する課題に対する解決法や、その応用によって定義される目標を達成するための人的資源と財政的資源によって規定されます。この研究は役割や方法の定義付けに寄与するばかりでなく、地方CB活動の効果や成功を測定する主要業績評価指標(KPI)につながるデータを提供することによって、成果の効率性の評価も兼ねるものです。地方CBの成功は必ずしも企業にとって標準的なKPIによって抽出もしくは測定されるものとは限らず、いまだ未知なる社会の持続可能性やCB目標によるものだという可能性もあります。この研究の中で検証する5つの「CB構造タイプ」に分類される可能性もあれば、当てはまらないことも考えられます。いずれにしても、この研究で集約したケース・スタディや方法を通し、様々な協力体制の効果を明らかにすることで、将来ベスト・プラクティスの標準や方法を提起するための研究発表や議論につなげたいと考えています。最終的にこの研究では、地方活性化に資する重要かつ拡張性のある取組みを定義付けることによって、各地域の定めた「社会的持続可能性」に関する目標の達成に貢献します。


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