2017年度 科学研究費助成事業による研究 No.5

研究課題:Analysis on TFP Sources of Growth to Enhance Competitiveness

研究代表者:キム サンホ

研究内容

日本政府は景気の好転を目指すべく、物価を上昇させるために金融・財政緩和政策を施してきましたが、長期的に日本経済の成功は工業セクターの競争力にかかっています。それ故に、政府は競争力を向上させるために構造改革を進めようとしています。その政策に貢献すべく、モデルの構築を試みることで日本経済の生産性の原動力を明らかにしようという研究をしています。私は全体の生産性を向上させるために有効な政策を提起したく、マクロ経済政策や全要素生産性(英:Total Factor Productivity(TFP))の成長の決定要素が日本製造業に与える影響を検証しています。これまで自身の研究を踏襲しつつ研究では: 
1. 循環的需要ショックを取り除いた上で、マクロ経済政策がTFPの成長に与える影響を推計します。
2. 統合された変化によるTFPの成長への影響を推計するモデルを提起します。
3. 私の継続的な取組みとして、競争力を向上させるためにTFP
が成長する主因を分析しながら、TFPの成長の個別要素を特定するために企業の不均一性を検証します。

研究動機

日本経済における生産性に関する研究は数多く見られますが、そのほとんどが成長会計分析というアプローチでTFPの成長を推計します。この方法は制限的な仮定のもとで、かつ統合された技術変化を除いて推計するため、バイアスが生じます。この研究では制限的な仮定にとらわれずTFPの成長をより精確に測定できるモデルを構築し、現状の日本の生産性に対してより高度な知見から提言することを考えています。さらに、モデルを用いてTFPの成長を推計し、その決定要素を特定する研究はあまり例がありません。生産性の成長をわかりやすくとらえるためにも、私は成長会計分析の代わりとして、より精確な推計方法を適用します。

研究の特色と意義

不必要な周期的変動を除いた上で、需要ショックによる技術ショックへの影響を推計することによって、この研究は日本経済の生産性が発展する時間的パターンを解明することができると考えられます。需要ショックの動的効果の測定を通し、経済の活発化のためによく使われる緩和政策の影響をより深く理解できるようになります。この研究成果は政策立案者向けに、日本は経済発展を果たすためにはさらに生産性を向上させるべきなのか、それとも実際の生産に適用されている既存の技術の効率性を高めるべきなのか、という問いに答えようとするものです。研究から得た実証的な結果は、TFPの成長につながる個々の決定要素を特定し、各業界や企業団体に具体的なガイドラインを提案します。最終的には、この研究は日本経済の今後の持続的発展のために、優先すべき政策に対する見解のみならず、各業界や企業団体にもカスタマイズされた政策ガイドラインを提供することになるでしょう。


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