2009/2/24

イスラム金融に関する講演会—"世界金融危機とイスラム金融"開催:

2009年2月16日(月)、東京ステーションコンファレンスサピアタワー5階会議室で、サウジアラビアからイスラム経済・金融研究の第一人者である、イスラム開発銀行・イスラム研究・教育機関理事兼研究顧問 モハメッド・ウメル・チャプラ博士を招き、「世界金融危機とイスラム金融」と題した講演会を開催しました。



この講演会は近年の日本のイスラム金融への関心の急速な高まりを背景に、金融危機に対して抵抗力があるシステムを有するといわれる同金融システムの正確な知識と情報を、日本の各界に提供することを目指し、文部科学省の「世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業」の一環として実施しました。駐日サウジアラビア王国大使館、日本経済新聞社から後援いただき、駐日サウジアラビア王国特命全権大使 ファイサル・ハサン・トラッド閣下も講演会に出席しました。

武藤幸治 APM教授は「好況であったマレーシアの実体経済にも金融危機の影響が出始めている。システムとしてのイスラム金融の真価を問われるのは今年になりそうと言える。マレーシアは97、98年に経済危機を経験しているので、それを活かして乗り越えられると期待している。」と論じました。

またチャプラ博士「金融危機はリバレジを使う金融資産膨張の帰結である。世界のGDPの数十倍にも膨らんだ金融資産は実体がないものであったし、リスクを回避する手法を駆使する事で自らはリスクを避けられると考えて行動した結果である。そこには、倫理的な価値判断は作用しなかった。今次の反省で規制強化が論じられているが、規制を強めてもモラルは高揚せず、経済が活力を失うことはかつて経験した。イスラム経済は物質的な豊かさだけでなく家族を基本とする社会の調和と安定的な発展を目指しており、イスラム金融における売買やリースでは、取引の対象となる資産が実在しなければならないため、金融市場のみが突出して肥大化することはない。またリスクの高い低所得層には高金利、高所得層には低金利の貸し付けシステムがサブプライム問題発生の根本的な原因でもあるが、実際は逆であることが望ましく、イスラム金融では、貧しい人でも事業ができるよう低金利での貸し付けを行っている。」と論じました。

会場には約150名の一般来場者が訪れました。質疑応答では熱心な質問が寄せられ、イスラム金融システムに対する関心の高さがうかがえました。

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