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バングラデシュ出身のリディタに伝統工芸である「ノクシ・カンタ」について話を聞いた。ノクシ・カンタは、昔から作られてきた刺しゅう入りの伝統的なキルトだ。「ノクシ」はデザインや模様、「カンタ」は古い布などを重ねて作るキルトを意味する。
主に使われるのは、同国の女性の伝統衣装「サリー」の古布。着古して柔らかくなったサリーを何枚も重ね、刺しゅうを施して仕上げる。糸も再利用のものを使っているそう。
1枚の大きなキルトを完成させるには多くの時間と手間がかかる。かつては農作業や家事を終えた女性たちが集まり、おしゃべりを楽しみながら一緒に1枚のキルトを縫っていた。ノクシ・カンタは単なるものづくりではなく、地域の女性をつなぐ大切なコミュニティーの場でもあった。
しかし、工場でさまざまな製品が大量かつ短時間で作られるようになった今、この文化は以前ほど一般的ではなくなったとリディタは話す。そんな中、詩人ジャシムディンがノクシ・カンタを題材にした本を書いたことをきっかけに、その存在は国内外で広く知られるようになったという。現在では、カラフルなものから落ち着いた色合いまであり、現代的なデザインも増えている。
古くなったサリーや糸を再利用し、人とのつながりを生み出してきたノクシ・カンタ。そこには、ものを大切にする知恵と、人と人をつなぐ温かさがある。伝統工芸は、文化を残すだけでなく、時代に合わせて形を変えながら、今の時代にも通じる新たな価値を生み出しているのかもしれない。
古くなったサリーを重ね、刺繍をし施したノクシ・カンタ
バニクリディタ
ニックネーム:リディタ
国際経営学部2回生
(大分合同新聞2026年10月21日朝刊掲載)
学生広報スタッフSPA(Student PR Assistants)は、APUと大分合同新聞による包括連携協定に基づき、2022年1月より、大分合同新聞朝刊「くらし・文化」面へ、インタビュー記事を連載中です。学生ならではの視点で、各国の文化やその時に気になる話題などを等身大でご紹介していきます。新聞読者層や、APUを目指す高校生などの、世界への興味関心を高めるきっかけづくりや、プロの編集者と協働することによる学生のスキルの向上を目指しています。