アジア太平洋のビジネス社会における「すでに起こった」未来に焦点を当てその本質解明を通じて次世代のビジネス・産業の未来を構想することそれが私たちAPU-NEXTの使命です。
ごあいさつ
APU-NEXT(APU次世代事業構想センター)は2014年に、立命館アジア太平洋大学(APU)アジア太平洋研究センター(RCAPS)の付属研究センターとして、設立されました。APU-NEXTは、その名のとおり、アジア太平洋のビジネス社会のまさにNEXTを構想するためセンターです。
アジア太平洋における次世代のビジネス・産業のあり方を構想することは、「アジア太平洋の未来創造」を理念のひとつに掲げるAPUの性格からして、私たちが果たすべき当然のミッションであると理解しています。日本を含む同地域のビジネス社会におけるイノベーティブな動きにフォーカスを当て、そのような「すでに起こった」未来(ドラッカー)の本質は何であるのか、次世代のビジネスや産業の発展にとって何が鍵となるのか、を明らかにしながら、未来を構想したいと考えています。
そこで現在、私たちは、たとえ小さくとも、コアとなる強みと創造性をもって海外展開に価値を生み出しているユニークな企業や地場の組織に着目しながら、グローバル化が進展し、競争が激化する時代において企業・組織が生き抜いていく上で何が求められているのか解明に努めています。これまで国内外100以上の企業や組織を調査しデータベースを蓄積してきました。そうした知見を内外に広く発信し、問題意識を同じくする皆さまと共有することを通じて、アジア太平洋の持続的な発展に貢献してまいります。
2019年4月 APU-NEXT ディレクター 藤本武士
活動
![]() 企業への訪問調査私たちの研究活動の基本は、実際に何度も企業に足を運び、経営者の声を聞き、現場を目で見ることにあります。こうして開発されたケースは、教材のほか、学術研究の基礎資料として活用されます。 |
![]() 共同研究・受託研究企業、大学等研究機関をはじめ産官学地域連携のプラットフォームを構築し、共同研究や受託研究を推進します。また、京都・大阪の立命館ビジネススクールとの共同研究等連携を進めます。 |
![]() 研究会・ワークショップビジネスや企業マネジメントの最新動向に関する研究会やワークショップを定期的に開催します。こうした議論の場をできる限り多くの関係者に開放します。 |
![]() 研究成果の発信研究会・ワークショップに加え、書籍の出版、調査報告書、論文・ワーキングペーパー、ケーススタディのリリースを通して、研究成果の発信、社会還元に努めます。 |
2022年度の主な活動報告
APU-NEXTは、スタートアップ・ベンチャーや中小企業の事業活動を主な対象とし、特殊分野で国際的に展開する中小企業(Global Niche Top企業・ファミリー経営型欧州Hidden Champion企業)を国際的に比較研究・分析を行う研究センターである。2022年度は、国際的な比較研究としてミッテルヘッセン工科大学(THM)と研究協定を締結し、中小企業のDXに向けた共同研究を開始した。
また、県内企業の海外展開における事前ニーズ調査を実施するものとして「令和4年度東九州メディカルバレー海外販路開拓支援調査(おおいた産医療関連機器海外販路開拓支援調査)」を大分県医療ロボット・機器産業協議会から受託し、海外展開に向けた事前調査を行なった。調査活動は本学のアジア太平洋カンファレンスで医療・介護業界で世界的企業である旭化成メディカルの住吉社長やサイバーダイン社の山海先生を招聘しセッションを開催した。その調査報告として、大分県と大分県医療ロボット・機器産業協議会主催の東九州メディカルバレー構想推進大会で登壇・報告を行なった。
研究プロジェクト
グローバル・ニッチトップ(GNT)企業研究プロジェクト
2014年3月、経済産業省は特定の技術・製品等のニッチ分野で世界トップレベルのシェアを誇る「グローバルニッチトップ企業100選」を発表しました。私たちは数年前より、日本の新たな成長エンジンとしてのGNT企業の可能性に着目し、その動向の調査を進めています。
ファミリービジネス研究プロジェクト
上記GNT研究とのシナジーを意識しつつ、国内外のファミリー企業の動向を持続性とイノベーションという観点から検討を進めています。立命館大学ファミリービジネス研究会等と連携を図りながら、国内外の中堅・中小のファミリー企業のネットワーク構築に努めます
研究メンバー | 現所属/職位 | 研究領域 |
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藤本 武士
FUJIMOTO Takeshi
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国際経営学部 教授 | 経営学(マーケティング) |
藤田 正典
FUJITA Masanori
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国際経営学部 教授 | 経営学(社会システム工学・イノベーション) |
福山 公博
FUKUYAMA Kimihiro
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国際経営学部 准教授 | 経営学(ファミリービジネス・競争戦略) |
メイルマノフ セリック
MEIRMANOV Serik
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サステイナビリティ観光学部 教授 | 人類遺伝学・人体病理学・公衆衛生学 |
大竹 敏次
OTAKE Toshitsugu
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国際経営学部 教授 | 商学、リスクマネジメント |
小澤 朋之
OZAWA Tomoyuki
|
国際経営学部 准教授 | 経営学(会計学) |
須藤 智徳
SUDO Tomonori
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サステイナビリティ観光学部 教授 | 環境資源経済学、開発政策 |
福谷 正信
FUKUTANI Masanobu
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名誉教授 | 人的資源管理論、経営組織論 |
難波 正憲
NAMBA Masanori
|
名誉教授 | イノベーション論、アントレプレナーシップ |
鈴木 勘一郎
SUZUKI Kanichiro
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名誉教授 | 経営学(組織論) |
岩本 晃一 (客員メンバー)
IWAMOTO Koichi
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独立行政法人経済産業研究所 リサーチアソシエイト |
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本山 康之(客員メンバー)
MOTOYAMA Yasuyuki
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オハイオ州立大学 准教授 | |
大津留 榮佐久(客員メンバー)
OTSURU Eisaku
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一般社団法人OSTi 代表理事 |
研究成果
イノベーション・マネジメント -ファミリー企業比較経営分析-
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難波正憲・福谷正信 [編]泉文堂 ISBN978-4-7930-0373-8 C3034 ¥2,400+税 地域に根ざす企業のイノベーション過程の分析 地域に根ざしたファミリー企業が独自の事業創造を経て全国展開していくプロセスを6つのケースを通して比較検討。ファミリー企業の強みがどのような形でイノベーションの創出に活かされているのか、どの要素がイノベーション創出に奏効したのかを明らかにする。 |
グローバル・ニッチトップ企業の経営戦略
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難波正憲・福谷正信・鈴木勘一郎[編] 東信堂 ISBN978-4-7989-0162-6 C3034 ¥2,400+税 日本産業界「隠れたチャンピオン」の全容解明 先進国・途上国相撃つ国際市場競争のなか、いま注目の「グローバル・ニッチトップ(GNT)企業」̶̶特定の技術や製品等の「ニッチ」(隙間)分野で世界トップレベルのシェアを占める企業̶̶は、いかにして今日の地位を築いたの か。9つの企業のケースと競争戦略、リーダーシップ、イノベーションという3つの視点から読み解き、わが国製造業の未来を展望する。 |
グローバル・ニッチトップ企業の事業戦略
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APU-NEXT 藤本 武士・牧田 正裕 [編] 文理閣 ISBN978-4-89259-761-9 ¥2800+税 GNT研究の事業発展のプロセスを解明 いま注目のGNT企業9社をケースに取り上げ、その成功要因を徹底的に分析。事業発展のプロセスに着目しながらGNT企業を類型化。徹底した顧客対応や商社に頼らない直販体制の構築など、GNT企業に共通する戦略上の特長を解明。 |
グローバル・ニッチトップ企業の国際比較
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APU-NEXT 藤本武士・大竹敏次 [著, 編] 晃洋書房 ISBN: 978-4-7710-3145-6 ¥2800+税 グローバル・ニッチトップ企業の国際比較 小規模ながらもニッチの分野でグローバルに活躍している企業(GNT企業)の存在は、あまり知られていない。彼らの成功の秘訣は何なのか,GNT企業を多く輩出しているドイツから何を学ぶことができるか、雇用や技術開発などで地域経済に不可欠なGNT企業をいかに輩出していくかを分析する。 |
お問い合わせ
〒874-8577 大分県別府市十文字原1-1 立命館アジア太平洋大学 (APU)
Tel: 0977-78-1134(APUアウトリーチ・リサーチ・オフィス)
e-mail: centers*apu.ac.jp(迷惑メール防止のため*を@に置き換えてご使用願います)