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2012/06/15
平田 純一 元副学長
前回,現在の日本経済に状況を理解するうえで,為替レートの変動に関する理解が重要であることを述べた。今回は,1980年以降の日本円対 アメリカドルの為替レートの推移を追い,次回これらのターニングポイントと背景を説明する。
以下に示したのは,1980年から2011年までの,月次平均円対ドル為替レートの推移である。この図から明らかであるように,1980年代前半までの円 対ドルの為替レートは,1ドル=200円から260円の間で推移し,1985年から1988年にかけて急激に円高が進み,1988年には1ドル=120円 台まで円高が進んでいる。その後は,1994年後半から1995年前半の1時期に1ドル=100以上の円高になったのを除いては,リーマン・ショックの発 生した2008年後半までの期間,1ドル=100円から150円の間で変動を繰り返しつつも相対的には,比較的安定的に推移してきた。1ドル100円を超 える円高が定着したのは,2008年末のリーマン・ショック後である。