講演・シンポジウム|来学者
2012/10/11
2012年9月27日(木)、元ポルトガル財務副大臣で現在同国の国会議員を務める経済学者、Miguel FRASQUILHO氏が、ポルトガル経済の現況についてRCAPSセミナーで特別講義を行いました。
講義に先立ち、FRASQUILHO氏は本間 政雄副学長、ポーター・エドガー学長特命補佐と懇談し、APU設立による地域社会への影響やAPUが提供しているカリキュラム、ユーロ危機の現状など様々な事柄について意見を交換しました。現在APUにはポルトガル出身の学生は在籍していませんが、FRASQUILHO氏は「海外で学び、異文化を経験した学生が増加することはポルトガルにとっても重要であり、近い将来、APUのポルトガル出身者を増やしたい」と希望を述べました。
特別講義では、欧州中央銀行、欧州委員会、国際通貨基金の3者による780億ユーロの緊急援助を受けたポルトガル経済の復興へ向けた計画について講義を行いました。FRASQUILHO氏は、経済構造の問題や国家の債務超過、ユーロ間の財政構造の不統一といったポルトガルの財政破綻の原因について説明しました。またポルトガル経済の復興計画について、しばしば国民の痛みを伴う緊縮と修正が“避けられない”とした上で、「支援策に沿って3ヶ月毎に5つの定期監査を実施しており、その全てにおいて肯定的な評価を得ています。この評価は、ポルトガルが依然として無視できないリスクを抱えているにも関わらず、国際社会や投資家の信頼が徐々に回復していることを表しています」と、ポルトガルにとって前向きな展望を述べました。
続いてFRASQUILHO氏は、労働者や税の制度改革や輸出増加、欧州中央銀行の役割などについて参加者からの質問に答えました。講義にはAPUの学生や教職員が参加し、欧州経済についての理解を深める機会となりました。
講義終了後、FRASQUILHO氏は学生の案内でキャンパスを見学されました。現在、APUではリスボン大学のISCTEビジネススクールと交流協定を結んでいます。