検索ワードを入力してください。
学生生活|イベント
2014年6月、日本伝統文化のパフォーマンスやワークショップを通じた相互的な文化交流を実現すべく、APUからクラブ4団体が満を持してポルトガルの地へ降り立ちました。
「和太鼓“楽”」、「よっしゃ虎威」、「立命館アジア太平洋大学吹奏楽部」、「APU茶道部」の4団体です。APUの元教員でもある在ポルトガル日本大使館の藤村和広公使のお力添えもあり、昨年に続き二回目のポルトガル訪問が実現しました。
8泊10日の当遠征での一番初めの公演は、「発見のモニュメント」前でのゲリラパフォーマンスでした。
ポルトガル屈指の観光名所での、海外の大学生による突然の「よさこいソーラン節」。
インパクトとしては申し分なく拍手喝采かと思いきや、観光客たちの反応は決し良いものとは言えませんでした。
学生達は「浮き足立っていた」「ポルトガルの雰囲気に呑まれていた」と、この時のことを振り返ります。長旅の疲れと緊張が、落ち着きを奪い、思い通りに行かない現実が、学生達の固定観念を壊していきました。各団体で培ってきた経験や固定観念が、良い意味で打ち砕かれた瞬間でした。
その夜、早速学生によるミーティングが自発的に行われ、「~を自分たちはしてきた」ではなく「これから4団体で何をしたいのか」ということを念頭に置きつつ、熱い意見交換がなされました。
いよいよ迎えた翌日の「ジャパン・フェスタ」でのパフォーマンス。1年前、先輩たちが大成功を収めた観客2,000人以上のビッグイベントです。
緊張やプレッシャーを跳ねのけるかのように一心不乱に取り組む学生たち。
昨日の「よさこいソーラン節」も、見違えるように息の揃ったものとなりました。
和太鼓が刻むビートやバレエ要素を含んだよさこい踊りがポルトガル人のラテンの血を騒がせるかのように、観客は大盛り上がりを見せました。
パフォーマンスのみならず、茶道部による「おもてなしブース」にも来場者が殺到し、ポルトガルの人々との「一期一会」を感じる瞬間となりました。
「ジャパン・フェスタ」自体のトリでもある4クラブ合同の盆踊りのレクチャー・実践が終わったとき、会場とステージは言うまでもなく一体となっていました。
昨年をも上回る賞賛を受けた学生たちは一気に勢いづき、 ポルト市立アルメイダ・ガレット図書館、シントラ市シントラ宮殿前、カスカイス市パウラ・レゴ美術館といった全国各地の観光名所でのパフォーマンスやワークショップを次々と成功させていきました。
「パフォーマンスの質は勿論のこと、公演の進め方や統率力も学生とは思えないほど素晴らしい」という評価を各公演関係者からいただくほど、彼らの団結力も日ごとに格段に高まっていきました。
遠征内の最後の公演は、リスボンISCTE大学でのワークショップでした。
開会に際してISCTE大学副学長よりご挨拶を頂戴したことは、ポルトガルからの日本やAPUに対する期待やニーズの高さを象徴するものでした。
各パフォーマンスの出来は勿論のこと、それぞれの繋ぎや段取り、舞台裏の動線確保等にも非の打ち所はなく、和太鼓やよさこい鳴子のワークショップでも、今までで一番の盛り上がりを見せました。
「各団体が築きあげてきたこと」と「当遠征を通して初めて気付いたこと」が見事に融合した瞬間でした。
まさに当遠征の集大成となった本公演は、ISCTE大学の教職員や学生のみならず、地域住民の皆様や当遠征を通じてAPUのファンとなった皆様による温かいスタンディングオベーションにてその幕を閉じました。
APU学生の「海外で日本文化を紹介し、体験してもらうことが真の国際交流へと繋がる」と信じ、体験ワークショップに昨年度以上に重きを置いた今回の遠征では、文化を通じた心と心の交流が実現し、「心の繋がりは言語や国籍の壁をも超える」ということを自らの体験で学びました。
折りしも2014年5月に日本・ポルトガル両国首相間で「学生や若者同士の日葡文化交流をより一層促進していく」旨の合意がなされましたが、APUの学生たちの活動は、これを実現したものとなりました。