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2026/04/01
新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
そして、みなさんをここまで支えてこられたご家族、関係者の皆さま、心から感謝申し上げます。
このたび、大学の事務手続き上の不備により、皆さまにご心配とご負担をおかけしておりますことを、大学を代表して深くお詫び申し上げます。本件を厳粛に受け止め、再発防止に全力で取り組んでいます。
一番大切なのは学生の皆さんの学びと成長です。全ての学生の皆さんが安心して学び、充実した大学生活を送ることができる多文化環境はAPUの誇りですし、それは一切損なわれていません。まだ入国できていない新入生の皆さんの学びを保障するために、今学期は一部オンライン授業を実施しますが、APUにはコロナ禍の間、世界の大学に先駆けてオンライン授業に移行して、学びを中断しなかった経験があります。新入生の皆さん、これから入国してくる仲間を温かく迎え入れてください。
きょうから、みなさんはAPUの一員です。
この会場には、違う言葉・違う文化・違う物語を持つ仲間が集まっています。
まず、想像してください。
4年後のあなたは、どんな顔でAPUキャンパスがある十文字原の丘を下り、どんな背中で世界に向かって歩き出しているでしょうか。
私たちはいま、分断の時代に生きています。
ニュースを開けば、対立、分断、無力感。
でも、ここに集ったみなさんは違う。
平和は「与えられるもの」ではない。自分たちで「つくるもの」だ。
その覚悟を持って、ここに来た。私はそう信じています。
紛争を前にしても、やれることはあります。
現地を理解し、支援の仕組みを学び、小さな行動を積み重ねる人になる。
「自分ひとりに何ができる?」
——できます。ひとりの行動が、次のひとりを動かすからです。
SNSには、強い言葉、速い結論、あいまいな根拠が溢れます。
そこで必要なのは、事実を確かめ、相手の立場を想像し、対話を続ける力。
APUは、その力を育てる場所です。
毎日の授業、APハウス、カフェテリア、図書館、グリーンコモンズ。
顔の見える関係でぶつかり、すれ違い、そしてまた話し合う。
それこそが、偽情報や偏見に流されない人間力の土台になります。
みなさんに手にしてほしいのは、専門性だけではありません。
専門に、多文化で鍛えられた視点と、現場での実践が重なるとき、学びは“知識”から“力”に変わります。
教室で考え、キャンパスで試し、街で動く。
失敗して、学び直して、また動く。
この往復運動こそが、APUが世界に誇る学びです。
ここからは、みなさん自身への三つの問いです。
紙に書いても、スマホに打っても、心の中でも構いません。
今日、ここで決めてください。
問い①:何に、心がいちばん震えるか。
ワクワクの正体を、言葉にしてください。曖昧でいい、でも必ず言葉に。
——約束①:ワクワクを言語化する。
問い②:誰と、世界をつくりたいか。
同じ考えの人だけで固まらない。むしろ、違う意見の人をチームに迎えましょう。
——約束②:自分とは異なる人と、意図的に組む。
問い③:どんな問題を、自分ごととして引き受けるか。
気候、貧困、教育、ビジネス、ツーリズム、地域づくり——漠然としたテーマ名で終わらせず、小さく具体的に、実現可能なものを。
——約束③:明日からの一歩を、具体化する。
スタートダッシュは、小さく・速く・たくさんです。
——たった100日で、世界の見え方が変わります。
APUは、共感と相互理解のビーコン(道しるべ)でありたい。
暗い海で進路を示す光。遠くからでも見える希望。
そのビーコンは、単にAPUという大学組織のスローガンではありません。
あなた自身が、ビーコンになるのです。
勇気を出して手を挙げる人。
違う意見の相手に最後まで耳を傾ける人。
負けたときに、相手と握手するために立ち上がる人。
——そんなあなたの背中が、だれかの道しるべになります。
APUキャンパスの丘の上で過ごす日々は、長いようで短いです。
言葉にし、行動し、振り返る。
その繰り返しが、みなさんの世界をつくっていきます。
どうか覚えていてください。
平和は、つくるもの。
考える力は、鍛えるもの。
未来は、選ぶもの。
ようこそAPUへ。
みなさんと学び合えることを、心の底から楽しみにしています。
ご入学、本当におめでとうございます。
2026年4月1日
立命館アジア太平洋大学
学長 米山裕