学長ノート

新入生へのメッセージ(2023年秋入学式)

2023/09/22

出口 治明 第4代学長

祝 辞

新入生の皆さん、立命館アジア太平洋大学(APU)へのご入学おめでとうございます。皆さんをこれまで支えてこられたご家族の皆様にもお祝いを申し上げます。

今日からAPUの学生になる皆さんには、APUの教育、研究、多国籍・多文化環境を活かして学び、将来世界を変える人材として活躍してほしいと思っています。
近年のデジタル技術の飛躍的進歩により、学びのツールも増えてきました。例えば、今話題の対話型AI「Chat GPT」は、誰でも気軽に利用でき、短時間で新しいコンテンツを生成します。新しい技術を積極的にルールに従って取り入れることは大事です。一方で、現段階ではAI で導き出される回答が正しい情報とは限りません。また、AIは聞いたことにしか回答がなく、結果的に自分が学びたいものだけを学ぶことになり、AIがそれを超える学びを与えてくれることにはつながらないと思います。僕は1対1の対話を通じて知らないことを学ぶことが究極の学びだと思います。皆さんには、APUという大学で学ぶ意義を考えて大学生活をスタートしてほしいと思います。

今日は僕から皆さんが学ぶために大事なことを3つお話ししたいと思います。
1つ目は「交流してほしい」ということです。APUでは、国際学生と国内学生の割合はほぼ50:50、出身国・地域は100以上、1回生はほぼ全員がAPハウスで生活します。この環境で「混ざる」だけに満足せず、多くの価値観の違う人と協力して課題に対して「解を出す」方法を皆さんで見つけていただきたいのです。そのためにはAPUの教育言語である英語と日本語の修得が必要です。日本語も英語も母語ではない学生も多いと思いますが、多くの学生とコミュニケーションを活発にとってください。

2つ目は、「勉強してほしい」ということです。自分に向いている、あるいは興味の持てることを徹底的に学んでほしいのです。ともかく一生懸命学んでいれば、次々に疑問が浮いてくる、それを1つずつつぶしていく、まさに学問の醍醐味がそこにあるのです。1つだけでいい、自分はこれだけは必死にやったという証を残してください。

3つ目は、「人・本・旅」で学んでください。
知りたいことに詳しい人がいれば、その「人」から学べば、知識や技能だけでなく、その思考の型や問いの立て方を学ぶことができます。あるいは、「本」を読めば、距離や時間を超えて深く学ぶことが出来ます。海外の大学の研究が進んでいると聞いたらその国へ「旅」をしよう。つまり、人・本・旅は知識を得ることに加えて、考える力を鍛えることができるのです。大学生は人生の中で一番自由に使えるもったいないほどの時間があります。貪欲に深く物事を極めてください。最後に、皆さんに読んで欲しい30冊の本のリストを付けておきます。仲間と切磋琢磨して、一生懸命勉強しましょう。 あらためて、ご入学おめでとうございます。

2023年9月22日
立命館アジア太平洋大学
学長 出口治明



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