新ジャーナル「APU言語研究論叢(APLJ)」論文募集のおしらせ
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2015年11月18日(水)、金城 盛彦 教授 (琉球大学 観光産業科学部)をお迎えし、 「観光のマクロ統計が抱える諸問題について」と題してRCAPSセミナーを開催いたしました。
【汪APS教授によるレポート】
琉球大学の金城盛彦教授が講演1.2時間をかけて、①沖縄観光の近況と課題、②沖縄観光
の課題と対策、③沖縄総合事務局の観光振興への取組、④(産業連関法による)観光の経
済効果は過大?、⑤TSA(Tourism Satellite Account)は使えない?について講演された
のである。
講演において、出席者たちの興味を持たせるため、まず、グラフで「沖縄観光の近況と課
題」について、観光入域客数及び観光収入の推移、平均滞在日数、一人当たりの平均消費
金額、そして、沖縄観光の今後の課題と対策(滞在日数の長期化、外国人客の誘客拡大、
1人当たり消費額の向上など)について統計資料とグラフで紹介してくれた。
具体的には、滞在日数の長期化・観光消費額の向上等に向けた取組、オキナワン・カルチャ
ーの観光メニュー化に向けた取組、人の流れの円滑化のため(交通渋滞緩和)の基盤整備、
沖縄観光の経済効果、国際基準の観光の経済効果の測り方などが挙げられる。
講演が終わってから、フロアからの質問も活発的である。質疑応答は30分が設定されてい
たが、結局として10分オーバーし、講演は 午後5時10分に終了した。
なかなか中身のある講演ということで、出席者たちにとっていい勉強になると思う。
金城盛彦 教授
2015年11月7日(土) ~ 8日(日)、立命館アジア太平洋研究センター(RCAPS)主催で「アジア太平洋カンファレンス2015」を開催しました。
2015年10月27日(火)、石井正純氏をお迎えし、「Corporate Venturing and Open Innovation」と題してRCAPSセミナーを開催いたしました。
【中田行彦APS教授によるレポート】
シリコンバレーから石井正純様をお迎えし、シリコンバレーの現状をお聞きした。講演タイトルは「Corporate Venturing and Open Innovation」で、2015年10月27日(火)12:25からAPUにて英語で講演していただいた。
石井正純様は、日本IBMでシステム開発をされ、その間にスタンフォード大学でコンピュータサイエンスの修士号を取得された。その後、McKinsey & Company社に入社され、経営コンサルティング活動をされた。1985年に、シリコンバレーにAZCA, Inc. を設立され、日本企業の米国進出等のコンサルティング活動をされている。また、2004年からベンチャーキャピタル会社Nonentiにも参画されている。このシリコンバレーでの活動を基に、講演していただいた。
まずシリコンバレーの歴史と現状が紹介された。そしてシリコンバレーのエコシステムとして、大学・研究機関、起業家、ベンチャーキャピタルと、インキューベーター、アクセラレーターから成り立っている。その結果、米国の投資の48%がシリコンバレーで行われ、世界的に著名な企業がシリコンバレーに密集している。つまり、カネと知の集積が、良い循環をもたらしている。
チェスブローは、企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ価値を創造する「オープンイノベーション」を提唱した。この「オープンイノベーション」がシリコンバレーを支えている。イノベーションを起こし続ける鍵は2つある。一つはOpenness(オープンネス)、二つ目は、Tolerance for Failure (失敗に対して寛容)である。日本の企業は、オープンイノベーションの考え方が欠如し、多くの分野でグローバル市場での競争を失った。企業も、積極的に外部の資源を利用する、Corporate Venturingの考え方が重要だ。
なお、石井正純氏は、APUの講演後、大分県の半導体クラスターの会員企業に対して、シリコンバレーからの視点で半導体関連企業の展望について講演された。