2015/12/18

セミナーレポート「Multiple Social Crises in South Korea: A Sociological Analysis」

2015年12月9日(水)、Shin Kwang-Yeong教授(Department of Sociology, Chung-Ang University)
をお迎えし、「Multiple Social Crises in South Korea: A Sociological Analysis」と題してRCAPS
セミナーを開催いたしました。


【児島真爾APS教授によるレポート】

シン教授は、今日の韓国における社会経済的問題について、表や視覚資料を用いて、講演されました。
まず、1997年の金融危機とその後、韓国政府が行った新自由主義的改革について説明しました。韓国
社会で最も重要な変化の一つは、不安定な条件の下で雇用される労働者を増やす労働の臨時雇用化で
した。社会保障が低水準であることを考えると、男女問わず、より多くの労働者が、不安定な雇用と
貧困に苦しんでいます。労働の臨時雇用化に関連して、シン教授は、急速な高齢化、高い自殺率、近
年の離婚率の上昇などによる家族の離散という、韓国社会が直面している3つの危機を突き止めました。
これらの現象は、同時に、不平等な社会の構築につながっています。
講演の後、活発な質疑応答が交わされました。
セミナー参加者らはそれぞれの出身国の状況と、韓国の事例とを比較し、質問しました。韓国の一部
の学生からは、教育の格差に対する懸念の声が上がった一方で、他の韓国の学生からは、ジェンダー
や女性の視点から不平等を問題視する声も聞かれました。


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