2015年10月27日(火)、石井正純氏をお迎えし、「Corporate Venturing and Open Innovation」と題してRCAPSセミナーを開催いたしました。
【中田行彦APS教授によるレポート】
シリコンバレーから石井正純様をお迎えし、シリコンバレーの現状をお聞きした。講演タイトルは「Corporate Venturing and Open Innovation」で、2015年10月27日(火)12:25からAPUにて英語で講演していただいた。
石井正純様は、日本IBMでシステム開発をされ、その間にスタンフォード大学でコンピュータサイエンスの修士号を取得された。その後、McKinsey & Company社に入社され、経営コンサルティング活動をされた。1985年に、シリコンバレーにAZCA, Inc. を設立され、日本企業の米国進出等のコンサルティング活動をされている。また、2004年からベンチャーキャピタル会社Nonentiにも参画されている。このシリコンバレーでの活動を基に、講演していただいた。
まずシリコンバレーの歴史と現状が紹介された。そしてシリコンバレーのエコシステムとして、大学・研究機関、起業家、ベンチャーキャピタルと、インキューベーター、アクセラレーターから成り立っている。その結果、米国の投資の48%がシリコンバレーで行われ、世界的に著名な企業がシリコンバレーに密集している。つまり、カネと知の集積が、良い循環をもたらしている。
チェスブローは、企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ価値を創造する「オープンイノベーション」を提唱した。この「オープンイノベーション」がシリコンバレーを支えている。イノベーションを起こし続ける鍵は2つある。一つはOpenness(オープンネス)、二つ目は、Tolerance for Failure (失敗に対して寛容)である。日本の企業は、オープンイノベーションの考え方が欠如し、多くの分野でグローバル市場での競争を失った。企業も、積極的に外部の資源を利用する、Corporate Venturingの考え方が重要だ。
なお、石井正純氏は、APUの講演後、大分県の半導体クラスターの会員企業に対して、シリコンバレーからの視点で半導体関連企業の展望について講演された。