プログラム名:(APS) 現代社会論-〈共生〉について考える
担当教員:清家 久美
プログラムに参加しようと思った理由
「 *他者と* 共に生きること」について本気で問いたいと思ったのが、私が本プログラムへの参加を決めた理由でした。私の研究対象である不登校児は、公教育からの切り離しによって居場所を喪失し、しばし孤立を感じています。彼らが社会から排除されることなく、他者と共に生きていくことができるようになるために必要な支援策について思索し続ける日々です。「多文化共生社会」が謳われて久しい現代では、「共生」という言葉ばかりが独り歩きしているような気がしてなりません。もっと違う角度から「共生」について学びたいと考えていた私にとって、具体としての「共生」である共同生活を送りながら共生の理論を学ぶことができる本プログラムはとても魅力的に思えました。
プログラムを通じて成長できたこと
プログラム内では、共生論やNPO論、地域再生、現代社会論など様々なトピックについての講義が行われます。講義後の質疑応答や参加者との議論ではそれらのトピックについて「考え続けること」「自分の言葉を持つこと」が求められたため、思考力や発言力が鍛えられました。
加えて、社会学系のゼミに所属する私にとって、研究対象である「社会」の最小単位である「私」と「他者」について徹底的に問うことができたことは大きな収穫でもありました。「私とは何か」「他者とは」「共生とは」「都市とは」「農村とは」など、ひとつひとつの言葉を問い、意味づけを行なっていく姿勢は大学の研究においても必ず必要になるものです。
プログラムに興味を持っている学生の皆さんへのメッセージ
普段大学で講義を受け、文献を漁り、概念ばかりを追っている私たちは、しばし具体としての対象を追うことを忘れてしまいます。具体としての自然を知らずに環境保全を訴えることや、他者とは何かを熟考せずに「共生社会」を問うことは本当に可能なのでしょうか。
「NPO設立者のお話を聞きながらNPO論を学ぶ」
「実際に土を弄りながら『環境保全』を問う」
「共同生活を送りながら『共生』について考える」
大学を飛び出し、「具体」と「概念」の相互作用によって進められる本プログラムに参加することで、あなたの学びが一歩先に向かうことを期待しています。
(写真は、NPO代表の方に教えていただきながら、宿泊施設付近の修繕活動に取り組んでいる様子と、プログラム中にお世話になった方々に送る寄せ書きを作成している場面を撮影したものです。)