このプログラムに応募しようと思った理由
私は以前から貧困削減に関心があり、大学生のうちに一度は途上国を訪れたいと考えていました。もともとはJICAのスタディーツアーへの参加を検討していましたが、「地域研究アドバンスド」プログラムを知り、こちらの方が自分の希望により合っていると感じました。
このプログラムでは、貧困層を支援するNGOの現地での活動を直接見ることができるだけでなく、派遣先であるタイのタマサート大学やインドネシアのインドネシア大学といった一流大学で学ぶ機会も得られます。さらに、自分の関心に沿ったテーマで研究を行うことができます。実践的な経験と学術的な学びを同時に得られる点に大きな魅力を感じ、参加を決意しました。
プログラムに参加して、何を得て、今後の学部での学修またはキャリアにどのように活かしたいですか
私のリサーチトピックは「タイとインドネシアにおける貧困削減」で、特に「既存の政府の貧困対策をどのように改善すれば、都市部の貧困削減をより効果的に進められるか」という点に焦点を当てていました。現地では、政府の施策だけでなく、NGOの活動や地域の人々の暮らしに直接触れることで、教室では得られない現場のリアルな学びを得ることができました。
これまで私は、開発や発展については授業で十分に学んできたと思っていました。しかし、実際に現地に足を運び、人々の生活を目の当たりにしたことで、「机に座って学ぶ」のと「現地で体感する」のでは、理解の深さがまったく違うことを痛感しました。
また、自分自身の変化にも驚きました。それまで私はどちらかというと消極的な性格だと思っていたのですが、現地での研究のために自ら積極的にアポイントを取り、休日には積極的に観光に出かけるなど、気づけば行動的になっていました。自分の興味や目的がはっきりしていると、自然と前向きに動けるのだということを実感しました。
この経験は、今後の学部での学修にも大きく影響を与えると思います。より現実に即した視点を持って授業に臨むことができるようになりましたし、将来的には国際協力や政策立案の分野で、現場の声を反映したアプローチができる人材になりたいと考えています。
プログラムに興味を持っている学生へのメッセージ
このプログラムで得た学びや、参加して良かったと感じることは、数えきれないほどあります。
正直なところ、応募を決めるまでには多くの不安がありました。英語は得意ではなく、タイ語やインドネシア語は全く話せません。海外に行くのも初めてで、さらに私は少し潔癖な性格です。「衛生環境が日本ほど整っていない国で、自分は果たして生活できるのだろうか…」と心配で、応募するかどうか本当に悩みました。
しかし、思い切って参加してみると、予想以上に何とかなるものです。英語に自信がなくても、身振り手振りで意外と通じますし、最悪の場合は翻訳機を使えば問題ありません(笑)。「トイレットペーパーが流せないなんて信じられない」「お風呂とトイレが一緒なんて無理!」と思っていましたが、いざその環境に身を置くと、人間は順応できるものだと実感しました。
もし参加されることになったら、ぜひ勉強だけでなく、週末には観光も楽しんでください。トゥクトゥクの熱心な勧誘に遭遇したり、バスの運転手さんと仲良くなったり、国鉄の車窓から低所得層の生活を垣間見たり…。観光を通じて、日本では体験できないことを数多く経験できます。
衛生面、文化、食べ物、街並みなど、日本とはまったく異なる環境でしたが、その違いを楽しみながら、自分の興味ある研究に集中できた1か月半は、一生の財産となる貴重な時間でした。皆さんが充実した大学生活を送れることを心から応援しています!





