「ホテルのフード&ビバレッジは、心震える食体験の提供」
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7月18日(木)サステイナビリティ観光学部の正課科目『フード&ビバレッジ・オペレーションJA(シラバスリンク)』(担当:橋本俊作教授)の最終日講義にて、ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパの総支配人のダヴィデ・ザナルディ(Davide Zanardi)氏をお招きし、特別講義を行いました。この特別講義は、秋から同ホテルでの協定型インターンシップ※の開始を前に、実現したものです。
大阪、東京、沖縄など大都市とリゾート地におけるホテルでの勤務経験を経て、現職となったザナルディ氏は、自身の経歴について、ホテルのマネジメントとしてキャリアを積むには、シティホテルとリゾートホテルの両方の経験が必要だったと自身の紹介の中で振り返りました。
今回は、「ファーストクラスのホテルにおける飲食サービスの運営について」をテーマに、インターコンチネンタルホテルズグループ(IGH)(英: InterContinental Hotels Group PLC)のホテルブランドの紹介、またそれぞれのホテルにおけるフード&ビバレッジサービスの種類、ホテルグレードに沿った飲食サービスの提供内容などを始めとし、運営における財務実績の評価指標や、それに影響する要因などについても言及され、受講生はホテル運営のプロフェッショナルから、実践例を学ぶ機会となりました。
ザナルディ氏が、講義の中で日本のホテルの傾向について、全体の収支の中で飲食利用による収入割合が世界の中でも非常に高いという事実を挙げ、受講生に「それはなぜか?」と問うと、受講生は「日本の料理人の質が高いから」、「日本人は、特別な日にホテルのレストランを利用することが多いため、宿泊客以外利用が含まれる」と回答。回答に対するコメントとして、いずれも正解で、加えると日本人はブランドを好む傾向にあり、そのハイブランドの価値をステイタスと考える人が多いため、と説明しました。
講義の後半は、カリブ海に位置するリゾートホテルと、オーストラリアの大都会に所在するシティホテルのホテルのフード&ビバレッジ部門の販売促進についてシミュレーションをグループワークで行いました。
受講生たちは、それぞれのホテルのロケーションからわかる「強みと機会」「脅威と課題」を洗い出し、フード&ビバレッジ部門の売り上げ拡大のためにできる活動を考えました。
様々な意見やアイディアが受講生から出てきた中で、いずれも間違いでなく、実践できることであると強調した上で、ザナルディ氏は「これからのホテルのフード&ビバレッジは、単なる食事提供ではない心を震わせるような食の体験を仕掛けていくということが重要なポイントであり、個別の顧客ニーズに応えられるフレキシブルなサービスの提供、またミシュランなどの第3者評価機関からの高評価、そしてフードロスを持続的に削減する運営をしていくことが求められる」と話し、「加えて、SNSで拡散されるような見栄えを意識することもとても重要である」と特別講義をまとめました。
※「協定型インターンシップ」と は、APUと企業・団体とが覚書を交わし、協定を結んだインターンシップです。APUが窓口となり、協定先の企業・団体へ申し込みを行います。要件を満たし、本人が希望する場合は単位登録が可能です。