2021/2/2

RCAPSセミナーレポート「Positing the new Japanese security policies in the Middle East and North Africa: The case of the second Abe administration (2012 2020)」

2021年1月20(水)に「Positing the new Japanese security policies in the Middle East and North Africa: The case of the second Abe administration (2012 2020)」と題して、吉川 卓郎 教授をお迎えしてRCAPSセミナーをオンラインで開催しました。


吉川 卓郎 教授
吉川 卓郎 教授
[吉川 卓郎 教授によるレポート]

講演者は、2012年から2020年に安倍晋三首相が主導した日本の積極的平和外交について、中東・北アフリカ(MENA)での事例に焦点を当てて議論しました。発表ではMENAにおける安倍政権の外交的・安全保障的な遺産を、主にMENA諸国との二国間関係の大幅な深化、また同地域における自衛隊(JSDF)の積極的な役割に関連して分析しました。対照的に、自衛隊の国際的役割についての国内論争はMENAでの運用性に依然として影を落としており、南スーダンにおける自衛隊の活動に関連した問題は、その法的脆弱性を明らかにする重大な案件となりました。この研究では、ポスト冷戦期の国際システムと、国連PKOや反テロリズムなど日本の国際協力における新たな役割を比較的好感する世論の動向が、政治指導者らによるMENAの紛争解決に向けてのより実質的な政策推進を正当化するために肯定的に働いたと結論付けました。一方、討論者は、講演者によって提示された安倍外交の推進を可能にした2レベルの分析、すなわち1990年代以降の新たな国際システムとその影響を受けた国内の政治傾向分析だけではなく、MENAにおける日本の伝統的な価値感外交の再発見や再解釈といった、より柔軟なアプローチの必要性を提示し、その一例として、MENAでの核軍縮問題における日本の伝統的な指導力という外交的遺産を再分析することで、この研究の学術的な成果に実証性をもたらすのではないかと述べました。聴講者の1人からは、アラブとイスラエルの紛争の歴史など、MENA地域の構造的変容の文脈からの議論を分析することで、発表者の見解をより包括的に示せるのではないかという提案もありました。

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