2008年10月22日(水)、APUにて立命館アジア太平洋研究センター(RCAPS)主催のセミナーを 開催しました。
今回はアジア太平洋研究科長の山神 進 教授をお迎えし、 「Resettlement of Indochinese Refugees and Displaced Persons in Japan; Policy Shift and International Context.」をテーマに講演いただきました。
日本におけるインドシナ難民の定住:政策の転換と国際的な状況
1975年4月のサイゴン陥落直後から、ベトナムのボートピープルが日本を含む東アジア各地に到着するようになった。 1975年から1995年の間に14,000人が来日、うち3,500人が日本に定住した。 東南アジアの難民キャンプから4,000人のインドシナ難民(カンボジア人とラオス人含む)が日本に定住し、加えて2,000人が合法出国計画(Orderly Departure Program:ODP)のもと日本に定住した。
1989年ジュネーブにて開催されたインドシナ難民に関する国際会議では国際社会が一致協力し160万人以上の難民が定住を果たした成果が表明されたとともに、関係各国は新しく到着する難民の認定を「難民の地位に関する条約」(1951年採択)に基づき行うことを確認した。国際状況の変化にともない、難民の流出は1992年には55人に減少し、日本政府による特別待遇は1994年に廃止された。日本政府の難民受入政策のコーディネートに深く関った関係から、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と在京の国連関連機関が組織する学術研究のチームに参加し、難民が日本に定住するプロセスを振り返るとともに定住者に対する調査を現在行っている。
8月28日に東京の国連大学で行われた国際シンポジウムにおいて中間報告として上記調査に関する報告を行った。今次のRCAPSセミナーではシンポジウムでの発表を基に報告を行う。