【アジア太平洋学部 塚田俊三教授のレポート】
デジタル・エコノミーに関するRCAPSカレント・リサーチ・セミナー
ビットコインは、怪しげで危険ですらあるものと長く考えられ、マネーロンダリングをはじめマウントゴックスやさらに最近ではランサムウェアによる大規模な詐欺を連想させるダークなイメージを抱えてきました。今回のカレント・セミナーの目的は、ビットコインの性質と仕組み、および経済に与える潜在的な影響について分かりやすく説明し、こうしたイメージを払拭することでした。
本セミナーは、5月31日に本学RCAPSセミナールームで実施され、RCAPSセンター長Joseph Progler教授の進行のもと、塚田 俊三教授によって講義が行われました。
講義は、まずテクニカルな問題を取り上げ、(i) 暗号通貨とは何か、(ii) ブロックチェーンの構造に特に焦点を当てた仕組み、(iii)採掘(マイニング)の仕組み、について説明しました。
また、 数ある金融問題の中でも特に、(i) 継続的なビットコインの価格上昇の原因、(ii) こうした価格の高騰は続くか否か、といった問題点を取り上げました。
さらに、暗号通貨の起こりうる経済への悪影響、より具体的には、(i) インフォーマル・セクターの未制御の拡大、(iii) 金融政策の有効性の低下、といった点に触れ、講義は締めくくられました。
本セミナーは実社会の経済と緊密に関係したテーマであったこともあり、約20~30名の教員・学生の参加を得て、好評を博しました。
塚田 俊三 教授 (APU)