2013年1月18日、デニス・D・トリニダッド博士 (公益財団法人 日本国際問題研究所 客員研究員、 デ・ラ・サール大学 准教授) をお迎えし、“China and Japan’s economic cooperation in Southeast Asia” というテーマでRCAPSセミナーを開催しました。
トリニダッド博士の説明によると、東南アジアにおける中国の影響力は強くなっており、特にカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム(CLMV)においてその傾向が見られるとのことでした。これは、2011年7月に開催されたASEAN閣僚会議で、中国の影響を受けたカンボジアからの反対意見により、南シナ海に関する共同声明の策定に失敗したことで実証されているという。
トリニダッド博士はまた、中国は援助と貿易・投資を結びつけ、ソフトパワーを確立するという日本の戦略を模倣し、その量は年々、増加している一方、これとは対照的に、政府開発援助(ODA)の形で行われる経済協力において日本の占める割合は減少していると説明しました。これらのさまざまなパターンは、両国の政治と経済の側面によって引き起こされていると述べ、日本は技術革新と多様な配分に注力しているのに対し、中国は市場へのアクセスと資源安全保障に集中しているという。
参加者の質問によってセミナーの説明はより明確なものとなりました。このセミナーを通じて、日本と中国の経済協力についてトリニダッド博士から貴重なお話をうかがうことができました。
今回の講義は吉松秀孝APS教授の招待により実現したものです。
取材:MUHAMMAD Sito C. (APU GSM)
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