2011年7月6日(水)、外務省の石井正文総合外交政策局審議官を講師に迎え、「Strategic Panorama - What are the Main Trends in the Region and What Should be Done Today for the Stability and Prosperity of the Region in 20 Years?(直訳:戦略の全貌-地域の動向と来る20年後の地域の安定と繁栄のために今、何をすべきか?)」と題して立命館アジア太平洋研究センター(RCAPS)セミナーを行ないました。
講義ではアメリカや中国、ロシア、韓国、インドといった主要国やASEAN諸国との関係を踏まえた20年後の日本の未来像について紹介しました。
石井氏は現在の経済や環境問題、金融危機、国内問題、成長著しい途上国や低迷傾向にある先進国との対外関係などに触れ、日本と世界の主な情勢について説明しました。
また、今後20年間に渡る地域の安定かつ発展を確保するために、日本や隣国がとるべき政策目標について、“安定のための楔の役割”と“ネットワークの構築”、“ルール作り”の3つの新しい手法をキーワードとして挙げ、説明しました。
石井氏は米国のこの地域への関与を確保するという日本の役割は、この地域全体がより安定した安全保障環境を構築するための助けになると示唆しました。また、別の視点から、日本が豪州、韓国、インドなどの国々と多数国間のネットワークを築いていく触媒の役割を果たすことを提案しました。
石井氏は最後に、各国の違いを克服するようなルールを作るための政策を強化する必要があると強調しました。 セミナーの最後の質疑応答では、日露関係やベトナム政府の20年後などについて学生から質問が挙がりました。
取材:VEGAFRIA Elaine Cruz(APM2、フィリピン) APU学生広報スタッフ<Student Press Assistant(SPA)>