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第15回アジア中東研究学会連合(AFMA)大会へAPS学生が参加

  • イベント
2025/02/27

吉川卓郎教授の専門演習で中東とムスリム社会の研究をする学生が、2024年12月7日と8日に京都市で開催されたthe 15th Conference of the Asian Federation of Middle East Studies Associations (AFMA)に参加しました。AFMAは、日本、韓国、中国、そしてモンゴルの中東学会のコンソーシアムで、2年に1度大会が開催されます。中東の政治、安全保障、経済、歴史など幅広い議題を扱うこの学会はすべて英語で実施されます。学生たちは初日のシンポジウムに参加し、翌日は各自の研究関心に沿った分科会に参加しました。アジアを代表する研究者らの最新の研究成果発表の場でしたが、学生たちは積極的に質問をし、交流を深めることができました。卒業論文の準備を進めるこれらの学生たちにとって、AFMA参加は今後の研究の大きな励みとなりました。

AFMAに参加した学生たちの感想と意見は、以下の通りです。

岩崎花那さん(アジア太平洋学部国際関係学専攻):

「私はトルコの政治・政策に興味があったため、AFMAではトルコ研究の発表に高い関心を寄せていました。アジアにおけるトルコ研究の先駆者である今井宏平先生や岩坂将充先生の発表をはじめ、質の高い研究に触れました。トルコ・ナショナリズムについて論文を執筆している私にとって、特に今井先生の新オスマン主義研究は、新たな気づきを得る機会になりました。発表終了後には、シリアでのアサド政権崩壊のニュースについて議論させていただきました。今回の議論は、今後のシリア難民問題やクルド人問題などの研究に役立てたいと考えます。」

Sawhney Amreen Kaurさん(アジア太平洋学部国際関係学専攻):

「AFMAで研究者たちと交流したことで、より現実的な研究目標に向けて論文を練り上げるのに役立つ貴重な洞察を得ることができました。中東における社会・文化問題に関するセッションに参加したことで、それまで経済や政治の側面のみに焦点を当てていた私にとって、中東地域に対する理解が深まり、研究における制御変数の形成に微妙な視点を取り入れることができました。特に印象に残っているのは、アン・ソヨン博士にお会いし、政治発展における市民社会の役割を測定するための革新的な手法について学んだことです。これは、若く意欲的な研究者である私にとって、非常に大きな刺激となりました。全体として、この経験は私の論文を豊かにしただけでなく、より明確でインパクトのあるコミュニケーションを行うためのツールを私に与え、学術的なプレゼンテーションスキルを向上させてくれました。
最後に、このような学問の実践を経験する機会を与えてくださった吉川教授に感謝いたします。この経験は、継続的な学習の源となるだけでなく、このような議論の力のインスピレーションにもなります。」

Ananda Tasya Eka Syafitriさん(アジア太平洋学部国際関係学専攻):

「京都で開催されたAFMAの会議に参加したことで、私の視野は本当に広がり、学問の道を歩む上での新たなモチベーションが掻き立てられました。 研究者や博士号を持つ教授の方々と交流できたことは素晴らしい経験でした。 彼らは博識であるだけでなく、仕事に対して情熱を持って取り組んでいました。 彼らから、自分の論文を設計し、実行するための確かな基礎研究スキルを身につけることの重要性を学びました。彼らの革新的なアプローチや批判的な視点に触れることで、研究が効果を上げるためにどれほど深みと厳密さを追求できるかということがよくわかりました。これは、私自身が学術的な手法を改善し、洗練させるために戻って努力する上で、間違いなく良い刺激となりました。
特に、2人の基調講演者から深い感銘を受けました。ソウル大学のクー・ギ・イェン教授は、「イランのヒジャブ抗議における市民的不服従とグローバル連帯」という洞察に満ちたパネルディスカッションを行いました。同教授は、中東における女性の権利の制限について光を当て、抑圧的な環境下にある女性の強靭さを強調しただけでなく、彼女たちの権利を擁護する上でグローバル連帯が果たす役割の重要性を強調しました。
一方、私はエルサレム・ヘブライ大学のエリー教授による「イスラエルとインドネシア:秘密外交から広報外交へ(1950-2024)」という大変興味深いプレゼンテーションを聴講することができました。国際的な視点から、特にASEAN地域以外の方からインドネシアの外交史について詳細に説明していただき、とても有意義でした。
全体として、この会議は複雑な社会政治問題に対する私の理解を深めるだけでなく、学術的なスキルも強化してくれました。このような貴重な機会を与えてくださった吉川教授に深く感謝いたします。」