APUは、文部科学省の「2006年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(現代GP)に採択されました。
 これまでに、2003年度特色GP「多言語環境における日英2言語教育システム」、2004年度現代GP「Student Mobilityの推進」などの
プログラムが採択されており、APUの教育は社会的に高い評価を受けています。
 今回採択を受けたプログラムの概要とAPUの取り組みについて、中野雅博副学長にお聞きしました。


現代GPとは
どういうものですか?

 近年、大学の個性化・多様化や国際競争力の強化などが求められています。現代GPは、こうした社会的要請の強い政策課題に対応した優れた教育プロジェクトを選定し、財政支援を行うことにより、これからの時代を担う優れた人材の養成を推進することを目的とした文部科学省のプログラムです。2006年度は、本学が採択された「実践的総合キャリア教育の推進」の他、「地域活性化への貢献」など6テーマで募集がありました。キャリア教育の分野では、176件の申請に対して、採択は33件(18.8%)でした。


「グローバル人材養成のためのキャリア教育」
の目的と特徴を教えてください。

 この取り組みの目的は、グローバル人材養成のための体系的なキャリア教育システムを構築することにあります。グローバル化する社会に貢献する人材を養成するためには、言語能力、異文化間コミュニケーション能力、専門能力をキャリア開発に結実することが求められます。そのため、APUの特徴である約半数が国際学生という多文化環境と日本語と英語の二言語教育という教育システムを生かしたキャリア教育を行います。最大の特徴は、協力講座やインターンシップなど企業等外部の機関との連携により、専門教育の内容が実社会でどのように生かされているのかを理解させる工夫を行っていることです。これを通じて、キャリア開発科目の設置にとどまらず、専門教育とキャリア開発との結合による総合的かつ実践的なキャリア教育を目指しています。



具体的には
どのような取り組みを行うのですか?

 入学から卒業までの各段階に応じて総合的かつ体系的なキャリア教育を行います。
 1回生では、全学生が参加するキャリアガイダンスを入学直後に実施します。全学生に「キャリアチャート」を書かせ、キャリア開発の目標と4年間の学習のイメージを持たせます。
 2回生では、「職業意識とキャリア開発」という正課科目やキャリアカウンセリングなどを通じて、働くことの意味や意義、自らのキャリア開発のために何を学ぶ必要があるかなどを考えさせます。
 3回生では、「業界分析」という正課科目や企業等との協力による正課科目などを通じて、実際に社会で活躍する人から様々な「仕事」について学びます。また、インターンシップなどで「仕事」や「職業」を実践的に学び、専門演習などにフィードバックします。3回生の就職ガイダンスにはほぼ全学生が参加し、自ら学んできたことを実際の職業選択へと具体化する段階になります。
 そして4回生は、オンキャンパスリクルーティング(企業によるAPUキャンパスでの採用活動 / 2005年度は266社参加)などを実施し、学生が希望の就職を実現するまで多面的な支援を行います。
 さらに、学生カルテシステムを活用し、学習・学生生活・キャリア開発の一体的指導と個別カウンセリング・指導を重視したキャリア教育支援を行っていきます。


どういった点が評価されたのでしょうか?

 APUにおけるこれまでの蓄積をふまえて、「低回生からの系統的なキャリア教育」を導入し、これと専門教育を結びつけて、とくに「留学生に対するキャリア教育のモデル作り」に焦点を当てて、「グローバル人材の養成」を強化しようとしている点が評価されたようです。また、留学生と共に学ぶ国内学生に対しても、広くアジア太平洋地域で働く「グローバル人材」としての能力を高めるためのキャリア教育を施し、両者を一体のものとして位置づけていることも評価のポイントとなりました。
  日本における留学生教育については、卒業後の就職環境が整備されていない点が問題点として指摘されています。これは留学生にとっての問題であるばかりでなく、留学生を受け入れた日本の地域社会、日本国家にとっても大きな損失です。
  この取り組みが、言語運用能力と共に、「異なる文化の理解・尊重など異文化間コミュニケーション」に関する能力を高めることを位置づけ、それを「正課授業としてのインターンシップや企業等と協力して開設する協力講座」等と結びつけ、留学生が日本社会で働く職業能力等を高めようとしていることが、現代GPの選定委員会からも高く評価されました。


最後に一言お願いします。

 APUの教育は高い評価を受けていますが、その真の評価は、APUの卒業生がグローバル社会の多様な分野でリーダーシップを発揮しながら活躍することで初めて得られるものです。これからも学生を中心においた特色ある教育を実践し、世界にはばたく学生を育てていきたいと考えています。





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