寄付活用のご報告

オリンピック・パラリンピック言語ボランティア

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オリンピック・パラリンピック言語ボランティア

2021年3月、東京2020オリンピック・パラリンピック組織委員会より、当大学に対して、言語ボランティア派遣の依頼がありました。感染予防について組織委員会と調整したうえで、希望した学生のなかから学内で選抜して、のべ47名の学生を派遣することと致しました。派遣にあたり、宿舎等について、ご厚志から支援をさせていただき、学生が多大な自己負担をすることなく、無事活動を終えることができました。ご支援に対しまして、深く感謝を申し上げます。
学生は、国際局言語ボランティアサービス課に所属する言語ボランティアとして、各競技会場でオリンピアン・パラリンピアンの報道対応、ドーピング等実施に際しての通訳等の活動を行いました。先般、組織委員会国際局より、母語・英語・日本語の3言語での対応ができる学生たちの活躍への感謝の言葉をいただきました。 下記にボランティアへ参加した学生の報告書をご紹介します。

●今回の活動を通して学んだこと、これからの学びに活かせることについてレポートしてください。
五輪憲章には、IOCの公用語はフランス語と英語であると記されています。そして、同時通訳はフランス語、英語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、アラビア語で行われることになっています。私はオリンピック競技場で言語ボランティアに従事している間、すべての言語のボランティアがいることに気づきました。それだけではなく、リストに含まれない言語も尊重され大切に扱われていました。私はスワヒリ語と英語の通訳を行っていました。私は温かく迎えられ、私の言語が冷遇されていると感じることは全くありませんでした。オリンピックは真の多様性の祭典であり、言語を通じた文化の融合によって新たな絆を形成しています。
オリンピズムは社会的責任、普遍的で根本的な倫理規範の尊重を通じて、良い模範であることの教育的価値を創造しようとするものだと説明されています。ボランティアメンバーは皆、私たちの役割は大会の成功のために大変重要であると自覚していました。ボランティアメンバーはお互いに協力し合い、できる限り助け合いましたが、最終的には一人一人が指示されなくても自分の責務を全うしました。私のボランティアグループの監督責任者は、私たち全員がとても積極的だったため、監督責任者自身が何もすることがないと毎日のように言われました。知り合ってわずか数日でしたが、私にとっては一緒にいて居心地のよいグループでした。私は一番若く、他のボランティアのほとんどは博士課程の大学院生か、社会人でした。立場に関わらず学ぼうとする彼らの姿勢を私は素晴らしいと思いました。私たちはオリンピズムの精神を体現していたのです。
現代オリンピズムは1894年に発案されました。原則はほとんど変更がなくそのまま残っています。これは、IOCが適切に組織化された運営と体制の証です。様々なボランティアグループが運営されている様子を見ると、IOCは、順調にうまく運営されているのを確認できました。私は10人以上で構成されたグループを10組近く見ました。彼らと私とは役割が異なりましたが、共に働いていると感じました。私のグループがしっかり仕事をこなすと、彼らの仕事は楽になり、その逆もまた同様でした。 5つの輪は5つの大陸の団結と、世界中のアスリートが集まるオリンピックを象徴していますが、アスリートだけでなく、ボランティアを含むオリンピックに関わったすべての人々もその中に入ると思います。私はポーランド、イタリア、コロンビアなど、今まで会ったことがない国の人々と出会いました。多くの異なる国や地域のグループがオリンピック会場に集まったことで私達は偶然出会い、彼らの話や、多くの異なる文化、言語を聞き、非常に充実した時間を過ごしました。私の最もうれしい驚きは、スワヒリ語を話していた日本人でした。私がまだ日本語を勉強している最中に、日本人が私の言語で話すのを聞いた時は衝撃を受けました。それは、日本語を学び続け、上達したいというやる気に繋がりました。
結論として、オリンピズムは人生の哲学であり、身体、意志、精神の質のバランスを全体的に取りながら組み合わせ、高めるものです。アスリートを実際に見ることは、とても非日常的な体験でした。彼らが現在いる場所に到達するまでに費やした長年の努力は、その見た目や振る舞いを見れば明らかでした。これは肉体だけでなく、精神的にも厳しいトレーニングを積んだ結果です。勝っても負けても、彼らは優雅に身をこなし、頭を高く上げていました。アスリートは、自分がそこにいるためにできる限りのことをしてきたことを知っていて、ベストを尽くしていました。
オリンピックでの経験は私の勉強や人生に生かすことができる貴重な経験となりました。自分の心と体を最大限にケアしながら、全力を尽くして諦めずに努力し続け、前進していきたいと思います。

東京オリンピックでボランティアを経験したAPU学生へのインタビュー記事はこちら

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