APUは、2000年に開学して以来、109の国・地域 * から集まった国際学生が学んでいます。
そして、卒業生は6,000名を超え、世界各国で活躍しています。
今回は、本学のアドバイザリー・コミッティメンバーのお一人であるブルガリア共和国特命全権大使ブラゴヴェスト・センドフ閣下とカセム学長がAPUが担う教育的役割をテーマに対談を行いました。 
*2009年5月1日現在



 



カセム学長 大使、本日はお越しいただき、ありがとうございます。私には、学生時代に中央・東欧州出身の親友が何人かいました。彼らが常に持っている独自の人生観に私はとても触発されたものでした。なので、約90カ国・地域出身の学生が集うAPUでは、多様性が混在しているからこそ多くの刺激に満ちていると思います。
センドフ大使 あなたは、とても特別な役割をもつ大学にいらっしゃいます。なぜなら、異なる国の人々との交流は、本からは学べない教育的要素があるからです。それは、共存によって学ばれるものです。
カセム学長 まったく大使のおっしゃる通りで、人的交流は大切です。学生達は教室の内外で互いに学び合い、プロジェクトを行い、余暇も一緒に過ごしています。
センドフ大使 私は教育における技術を少々疑っています。技術は、教育において一定の役割を果たす一方で、重視しすぎると、人的交流という大学の最も重要な側面を失ってしまう。
カセム学長 その通りです。異なる考え、才能、経歴、文化の出会いは人の成長によい影響を与えます。これらはお金で買ったり、知識だけで得ることはできず、技術ではなく文明を創る人々によって生み出される深遠なものだと私は思います。
センドフ大使 貴学には、数学者、技術者、経済学者がおられますが、教育には、知識と知恵という両側面があります。高い教育を受けた人々が知恵を持たなければ危険です。知識と知恵は、共に用いられるべきです。APUは経営や数学だけでなく、人道的な科目や社会科学を学べるのですね。労働者は、会社での任務を果たすだけでなく、社会にとってどうあるべきか、社会における在り方も考慮しなければいけません。
カセム学長 若者に社会の変化に対応させようとする本学の理念は、大使が望んでおられる事と似ています。まだ完璧なシステムは見出せていませんが、知識や技術の教授と人間の精神の成長、そして精神の開放に焦点を当てるつもりです。大使のおっしゃる通り、孤立せず、他者との関わりの中で成長をしていく事はとても大切です。私が大学生の頃に住んでいた寮では、親しい友達ができ、1日中彼らと一緒でした。しかし、今日の寮では、各部屋で鍵をかけ、料理やシャワーを浴びたり、と何でも部屋の中で済ませてしまうことができ、他者と顔を合わせる必要がありません。本学の寮では、この様な状況にならない様にしています。大使、ぜひAPUに対するご要望があれば、お聞かせください。
センドフ大使 APUには、とても期待していますよ。世界中からの学生が集まっている特殊な大学ですから。これからのリーダーやマネージャーには、グローバル化など、世界が直面する問題を理解するためにもっと世界規模の視点を持つ事が必要です。こちらの大学ではその様な人材を育成する機会をお持ちですので、これから10年の間に日本を訪問する多くの首相や政府関係者が「APUで学びました」という状況が来ることを期待しています。ブルガリアの学生達にメッセージを送ります「出来るだけ多くの事を学んで下さい。そして、あなた方の周りにいる人達は、あなた方の言動からブルガリアを知る事を忘れないで下さい。あなた方を通して、人々がブルガリア人は美しく教養ある国民であると理解してもらえる事を願っています。」

 




【学長対談】
ブラゴヴェスト・センドフ閣下
−駐日ブルガリア共和国大使館特命全権大使−
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