活動報告(2024年度)

University World Newsアジア編集長と対談 -世界が注目する日本の高等教育の現在地-

在校生

日本の高等教育は今、大きな転換点を迎えています。18歳人口の減少やグローバル化の進展、テクノロジーの革新など、様々な課題に直面する中で、私たちは在校生特命副学長・サミットメンバーとして、大学教育の新しい形を模索しています。そこで、私は「外国人有識者の立場から、日本の教育について理解を深めたい」と考え、日本外国人特派員協会の会長であるKakuchiさんよりご紹介いただき、高等教育に特化した国際メディアUniversity World News(UWN)のアジア編集長、Yojana Sharma氏にお話を伺うことができましたので、本記事でご紹介します。
Sharma氏は、アジア地域18名の特派員を統括する立場から、アジアの高等教育の「今」を見つめ続けています。インタビューでは、①Covid-19の影響②STEM教育③日本の高等教育について、などのお話を伺いました。

① COVID-19が高等教育にもたらした影響について

突然のオンライン教育への移行は、単にデジタル格差の問題を浮き彫りにしただけでなく、学生の社会性やコミュニケーション能力の育成に、大きな課題を残しているといいます。「パンデミック期間中に高校教育を受けた今の大学生たちには、世界共通で特別なケアが必要である」とSharma氏は指摘しています。

② STEM(科学・技術・工学・数学)教育について

世界的な傾向としてSTEM(科学・技術・工学・数学)教育重視の流れが加速していることについても、興味深い指摘がありました。「一つの分野だけを学ぶ時代は終わりました。これからの学生は、少なくとも二つの専門分野を持つべき」というSharma氏の考えは、私たち学生にとっても示唆に富むものでした。

③ 日本の高等教育について

日本の教育については、「日本の大学生は知識は豊富だが、企業が求めているのは、その知識を使って、他者と協働できる能力である」と、Sharma氏は分析しており、私たちが日々感じている課題とも重なります。

このインタビューを通じて、日本の高等教育が抱える課題を、世界規模の視点で捉え直すことができました。
私は現在、在学生特命副学長サミットメンバーとして、「初年次教育」や「入試制度」に焦点を当てて、これからの10年に必要な教育とは何かを考えています。その一環で企業や卒業生、他大学や高校とディスカッションを重ねています。今回の対話から得た気づきを、これからの活動に活かしていきたいと考えています。APUという国際色豊かな環境だからこそできる提案を、これからも積極的に発信していきたいと思います。

最後に、貴重な機会を設けてくださったKakuchiさん、そして熱心にお話しくださったSharma氏に、心より感謝申し上げます。

以上