ArtWorks

作家・作品紹介

キャンパスを彩るアート作品を紹介します

キャンパスでは、数々のアート作品が学生たちの日常を彩っています。
アートは、アーティストが重ねた無数の決断の結果です。キャンパスに溶け込む作品の前で足を止め、作家の手の動きや思考の痕跡を感じ取ってください。

高屋 永遠《仙郷―泉》
高屋 永遠《仙郷―泉》2024

仙郷―泉

高屋 永遠Towa Takaya

Material
別府市内地獄から採取した泥、天然顔料、油、麻キャンバス
制作年
2024

pin_drop グリーンコモンズ(J棟)さくらラウンジ

作家による作品解説

私は身体を通して、大いなるエネルギーの循環そのものを立ち現すことを試みています。
別府の地で感じた独特な気配の根源とは、地熱から大地を突き破って源泉が表出する現象であり、その圧倒的なエネルギーでした。
天然源泉の泥から精製した絵の具の活用と、分割されたキャンバスの余白から想像される大地と熱による水蒸気の広がりは、いずれも大いなるエネルギーを作品に現すための試みです。最終的に現れたダイナミズムは、動的でありながらも、どこか人間存在を超えた普遍的な自然のもつ、長い時間と空間の奥行きを感じさせます。

「仙郷」とは俗界を離れた場所を意味しますが、私が体感したのは、切り離されたような静的な無ではなく、むしろ数多の生に命を与えるような『とてつもなく大きな力』の根源です。そのような実感を「泉」という言葉に込めて副題としました。

作家プロフィール

高屋 永遠Towa Takaya

1992年東京都生まれ。ロンドン大学ゴールドスミス校卒業。
流麗な線と神秘的な色彩が特徴的な絵画は、 空間、 時間、 存在についての領域横断的な考察に基づき制作され、 国内外の土地固有の素材や植物などから色材を自作する。並行して仮想現実上での描画システムの考案や異分野の技術を応用した表現などを探求。2022年より資生堂と化粧品原料を用いた共同研究を実施。繊細な色のスペクトラムの探求と豊かな階調が織りなす独自の奥行きは、鑑賞者を日常から切り離された精神の空間へと誘う。

資生堂みらい開発研究所と協働し、CO2由来ポリマーを用いた新しい環境美術表現の研究・制作を進めている。新作シリーズ「Morphology of Breath ― 呼吸の形態学」では、人間と環境の循環性を、素材の光学的ふるまいとして可視化している。国内外の美術館・アートフェアで作品が紹介され、光学現象を基軸とした独自の視覚芸術として評価を高めている。個人・大学・企業コレクションに多数収蔵。

Web : https://towatakaya.com/ open_in_new

Adwaita Gadanayak《魂(Soul)》
Adwaita Gadanayak《魂(Soul)》

魂(Soul)

アドワイタ・ガダナヤクAdwaita Gadanayak

Material
御影石

pin_drop さくらスカイガーデン
※作品は2023年、在大阪・神戸インド総領事館より寄贈 open_in_newいただきました。

作家による作品解説

この彫刻は「魂」を直接的に表現したものではなく、むしろ魂を求める旅を象徴しています。
使用されたインド産の花崗岩はその歴史を感じさせ、石の歴史を通じて、我々は長い時間の中で自分たちの存在を確認し、未来に向けての考えを巡らせることができます。

作家プロフィール

アドワイタ・ガダナヤクAdwaita Gadanayak

アドワイタ・ガダナヤクは、伝統的な芸術性と現代的な感性を見事に融合させた、インドを代表する彫刻家です。インド政府文化省 国立近代美術館(National Gallery of Modern Art)の総局長として活躍したのち、KIIT Art Academy(KAA)の総局長に就任。インドの文化芸術分野に大きく貢献しています。

野見山 暁治《遠かった日》2024
野見山 暁治《遠かった日》2021

遠かった日

野見山 暁治Gyoji Nomiyama

Size
116.7×91.0cm
Material
油彩、キャンバス
制作年
2021

pin_drop グリーンコモンズ(J棟)
※一般には公開しておりません
※作品は、野見山氏が100歳の時に制作されたものです。2022年に野見山氏より寄贈いただきました。

作家プロフィール

野見山 暁治Gyoji Nomiyama

1920年福岡県生まれ、2023年に同地で歿。東京美術学校油画科卒。応召、満州に派遣。
’52~’64年滞仏。安井賞。’68~’81年東京芸術大学奉職。芸術選奨文部大臣賞。 福岡県文化賞。毎日芸術賞。文化功労者。’14年文化勲章。

野見山暁治財団 : http://nomiyama-f.or.jp/ open_in_new

ヘラルボニー

障害のイメージ変容と福祉を起点に、新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニー「HERALBONY(ヘラルボニー) open_in_new」。
その契約作家によるアート作品を用いたアートパネルを展示しています。

APUの学生、教職員を対象にアンケート調査を行い、構想のコンセプト「つむぐ・たのしむ・つながる」にふさわしい、または、APU のキャンパスを体現していると感じられるという視点で選ばれました。

コラボレーションの紹介

井口 直人《無題》
井口 直人《無題》

無題

井口 直人Naoto Iguchi

pin_drop グリーンコモンズ(J棟)J104前

APUが作品を選んだ理由

自分のこだわりを忍耐強く表現することにより、独創性の高い作品を生み出しているさまは、それぞれが個性を大切に粘り強く訴えることの強さを伝えてくれる。
また、通うコンビニの店員さんとの関係性は、たとえ人には一見理解しがたい行動であったとしても、継続することで人とのつながりが生まれ、理解者や支援者を得られる可能性を示唆している。

作家プロフィール

井口 直人Naoto Iguchi

街のコンビニと施設のコピー機を使って、自分の顔とその時々の気に入ったものを写し取ることを毎日の日課としている。
ガラス面に顔を押し付け自分でボタン操作し、センサー光の動きと共に身体を動かすことで、画面に独特の歪みを作り出す。
作品中に多用されるシールは、施設でのアルミ缶作業中に剥がした景品応募シールで、これまで何度も当選している。

近所のコンビニには20年あまり毎日通っており、終わると店員が手際よくガラス面についた顔の脂を拭いてくれる。

作家について

笠原 鉄平《集いの習慣》
笠原 鉄平《集いの習慣》

集いの習慣

笠原 鉄平Teppei Kasahara

pin_drop グリーンコモンズ(J棟)J104前

APUが作品を選んだ理由

細やかに描かれた人物、動物、生き物は、それぞれ異なる個性を持つように見える。
異なる個性がひとところに集い共生するさまは、APUのキャンパスを思わせる。

作家プロフィール

笠原 鉄平Teppei Kasahara

1977年生まれ。彼が真っ白いキャンバスに表現するのは、0.03から0.7mmまでのペンで描く唯一無二の個性豊かなキャラクター達。それぞれ表情や格好が違い、画面の中で踊っているように表現される。

作家について

衣笠 泰介《カーネーションの気持ち》
衣笠 泰介《カーネーションの気持ち》

カーネーションの気持ち

衣笠 泰介Taisuke Kinugasa

pin_drop カウンセリングルーム
※一般には公開しておりません

APUが作品を選んだ理由

それぞれの花が独立して存在していながらも、1つのブーケを構成しているさまが、様々な学生が作り上げているAPUを象徴している

作家プロフィール

衣笠 泰介Taisuke Kinugasa

生きることは描くこと。
家族と世界各地を旅するなかで目にした景色を、光と色彩に溢れた独自の世界観で描き出す。マジカルとも評される色彩感覚と感受性を持ち、何百色もの絵の具から瞬時に色を選んで描き上げる。そのアートワークは国内外で高い評価を得ており、京都上御霊神社と京都御所内白雲神社の絵馬所には、大作絵馬が奉納されている。

作家について

Fumie Shimaoka《宇宙》
Fumie Shimaoka《宇宙》

宇宙

Fumie Shimaoka

pin_drop グリーンコモンズ(J棟)J104前

APUが作品を選んだ理由

ちいさなマルやセルを繋げる表現に見られる「チャレンジ精神」と「忍耐力」が、鑑賞者の共感を集める。無数のマルや線の集積がひとつの空間を形作る様子は、多様な学生が集まり、彩るAPUキャンパスと重なる。

作家プロフィール

Fumie Shimaoka

幼い頃から机に向い集中して手指を動かす作業が好きで、モンテッソーリ教室に通っていた。折り紙が得意でホテルでリネンを畳む仕事に就き、余暇として習字やリリアン、編み物をしながら過ごしていた。
そんな中、ある日突然ダウン症の方に多い円錐角膜による症状のひとつである急性水腫を発症したが奇跡的に回復し、自ら手持ちの水性ペンで大胆に細やかな線画を描き始めた。彼女は、コツコツとちいさなマルやセルを繋げ、好きなモノや想いを描く。当初はモノクロの作品を描いていたが、次第にたくさんの色を持ち、形を変え、欠片は増殖していく。そして、徐々に現在の作風が確立されていった。

作家について