2011/01/12

RCAPSセミナーでMs. Mami Mizutori (Sainsbury Institute, Norwich, UK)のセミナー開催

2010年12月15日(水)、APUにて立命館アジア太平洋研究センター(RCAPS)主催のセミナーを開催しました。

今回は英国のセインズベリー日本藝術研究所上級研究員 水鳥 真美 氏ををお迎えし、"Promoting International Cultural Exchanges: Does it really matter?(国際的文化交流の促進:交流は本当に意味があるのか?)"をテーマに講演いただきました。水鳥氏は日本の文化芸術分野での自身の経験から文化交流の重要性について講義されました。

セミナーは、藤村 和広APS教授の招聘により実現したものです。


水鳥氏は、国家としてのあり方を確立する、国家間の衝突を回避する、或は2002年のFIFAワールドカップ日韓共催に見られるように二国間関係を改善する必要性などを理由として、国家が異文化交流や文化外交を推進することについて説明しました。

また、2010年の上海万博の開催に象徴されるように引き続き活発な文化交流を進めるために予算を投入している中国といった躍進しつつある発展途上国と、日本やイギリスなど、ともに文化交流への予算が削減されている先進国の双方におけるこの分野への財政的手当の現状について紹介しつつ、先進国において文化交流予算が削減されている理由について、税金の使途に対する納税者の関心が高まっている点や文化交流の具体的成果が明示しづらい点を例にあげて説明しました。

結論として「国際的な文化交流の促進は本当に重要か?」という講演議題に対して、国際文化交流面における国家の「ひきこもり現象」とも呼べる状況が続くと、理念や人の行き来が滞るのみならず、これが経済保護主義と併存する場合には、更に危険な状況が発生する可能性があるとして、短期的、長期的に現れてくると文化交流の減少がもたらす悪影響について訴えました。

質疑応答において水鳥氏は、我々が住む現代の世界は密接に繋がっており、いずれの国も孤立して存続できない以上、自国の文化を発信しつつ、異なる文化を理解し受け入れることも重要である、と述べました。

RCAPSは21世紀のアジア太平洋地域の直面する問題や多面的な展開へ向けた研究の発展、促進を使命として1996年7月に設立しました。アジア太平洋学分野の研究成果を共有するため、学内外から講師を迎え、定期的にRCAPSセミナーを開催しています。

取材:Joshi Ratala Dinesh Prasad(APS4、ネパール) APU学生広報スタッフ<Student Press Assistant(SPA)>

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