茶葉生産・民泊経営で地域を支える講師がLOP Talksで講演
- 教育プログラム
2025年7月11日(金)、CLEが開催した「LOP(Local Products Producer)Talks」講義に、杵築市で茶葉を生産・販売し、農村民泊「山香文庫」を営む牧野史和氏が登壇しました。LOP Talksは日本語中上級クラスの受講生を対象に、日本語で大分県(地域社会)と特産品(地域産業)について知り、専門知識と日本語で学んだことをつなげるという目的で、特産品の生産者を講師に招き、2023年度から毎学期1回行っているものです。
牧野氏は東京で身体表現者として活躍されていましたが、農業に興味を持ち、地域おこし協力隊として2014年に大分県に移住されました。協力隊として杵築市のお茶産業に携わり、その美味しさに魅了された牧野氏は、現在は杵築市のお茶農家さんとともに茶葉を生産・販売しながら、農村民泊「山香文庫」を営まれています。
牧野氏は茶産業の現状について、生産者の高齢化が著しいが、茶葉の生産は長時間の肉体労働のため、今後の生産に課題を抱えている点を指摘しました。また、茶葉の個人消費量が減っている一方、ペットボトルの茶飲料の消費は増えており、お茶そのものの消費量は変わっていないという現状を解説されました。そのうえで、お茶の消費量は同じでも、急須で煎れるお茶とそれを囲む人々の風景が失われることは、大きな変化だと述べました。
講義の最後には複数名の国際学生が、スリランカやインド、バングラデシュなど、自身の出身国のお茶とそれにまつわる文化を紹介しました。お茶を囲み、老若男女問わず政治などについて語り合うという文化の紹介に、牧野さんは「日本と同じですね」と関心を寄せられました。講義内では中上級コース担当教員から杵築市の緑茶とバングラデシュ産の紅茶などがふるまわれ、学生は急須で煎れたお茶の旨味を堪能しました。
