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組織形態 SBUとカンパニー制



 複数の事業部を戦略策定および実行上の観点から束ねた組織単位として、「戦略的事業単位」(Strategic Business Unit:SBU)がある。最近、日本では、事業部制さらにはSBUを発展させた組織形態として、「カンパニー制」を導入する企業が増加傾向にある。


戦略事業単位の意味

 事業部組織は、マネジメントの観点から業務を効率的に運営できる管理単位としての組織単位であった。業務管理に適した事業部が、戦略策定の単位として常に相応しいとは限らない。業務管理上の単位は小さすぎても大きすぎても効率化の障害となる。管理するための適度なサイズがあるからである。一方、事業戦略は事業ごとに策定することが効率的とは限らない。複数の事業部門を戦略的観点から束ね、1つの戦略的事業単位(SBU)として、「ひとまとめ」にする方が効率的である場合が多い。事業単位部門を解体し、SBUに組み直すことは効率的ではないため、両方の強みを生かすべく重ね合わせる(overlay)方法がとられる。したがってSBUは組織図の上で、いくつかの階層に現れることになる。

 通常の管理組織がマネジメント機能の確立を目的としているのに対し、SBUは組織のリーダーシップ機能の発揮を目的としているということができる。プロダクト・ポートフォリオ(PPM)は、もともと事業部門単位ではなく、SBU単位で検討すること前提に開発されたものであることを付け加えておく。


戦略事業単位の構成基準

 SBUを設定する場合、共通の戦略をとることが効率的であるかどうかを、少なくとも検討する必要がある。いくつかの事業で成功要因が共通しているならば、それらの事業に関する戦略策定をまとめて行う方が効率的であろう。ある家電メーカーがエアコン事業部、冷蔵庫事業部、電子レンジ事業部、ミキサー事業部、VTR事業部を持っており、ユーザーのニーズ変化に対応した新製品の提供が共通した成功要因であったとする。ここで、冷蔵庫、電子レンジおよびミキサーについては、ユーザーや購買意思決定者が家庭の主婦と想定されるならば、これらを生産する3つの事業部をキッチン家電SBUとして束ねる方が効率的であるかもしれない。

 また、SBUが事業戦略の遂行とその達成を目的とすることから考えれば、SBU独自の開発部門、製造部門、販売部門、企画部門を持つことが望ましい。しかし、現実的には効果よりも効率の観点から、それほど戦略的に重要でない機能部門を、複数のSBUで共用することが多い。


カンパニー制

 事業部制さらにはSBUの発展型として近年、事業単位を再編成して、投資決定を含む大幅な権限委譲を行う企業が増えてきた。例えば、ソニーは、組織形態を事業部制から「カンパニー制」に再編成したことで知られている。従来は19の事業本部と8営業本部があり、その下に50以上の事業部があったが、「カンパニー制」は、製品群ごとに編成されたカンパニー単位で意思決定を行う体制である。各カンパニーは法律上の会社ではないが、プレジデントによって運営され、それまで全社的な意思決定事項とされてきた投資決定についても、一定レベルまで行うことができる。こうした権限委譲は、各カンパニーが子会社のごとく迅速に意思決定できるようにするためである。

 松下電器も最近、カンパニー制を導入したが、今後も、大きな会社でありながらも小さな会社のごとく環境変化に対応できる体制を目指す企業が増加するであろう。