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多角化戦略とは何か



 ポーターによると競争の基本戦略はコスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略の3つがある。経営者の自社の経営資源や業界の特性を考慮し、基本戦略としてどの戦略をとるべきかのスタンスを明確に打ち出さなければならない。


競争優位のための基本戦略

 戦略には全社レベルの戦略と事業レベルの戦略に分けられる。前者は、事業のドメインを選び、そして事業の魅力度、自社の強み・弱みという観点から複数の事業をどう組み合わせるかという戦略(したがって多角化戦略もこれに含まれる)である。しかし、それぞれの事業が競合他社といかに戦っていくかという、事業レベルの競争戦略も重要である。競争優位の源泉となる競争戦略は、M.ポーターによると3つある。

@ コスト・リーダーシップ戦略
低コストで製品やサービスを生産することで市場における競争優位を確立しようとする戦略。例として、市場が必要とする乗用車を的確に必要なだけ供給していくことを低コストで実現しているトヨタ自動車や、他社のどこよりも安い商品を毎日提供することで成功したウォルマートあげられる。
A 差別化戦略
製品やサービスについて、他社との違いを明確にすることで競争優位を確立しようとする戦略。強力なブランドによって他社の製品・サービスとの違いを際立たせる戦略もこれに当てはまる。マクドナルドと逆の戦略をとったモス・バーガー(モス・フードサービス)や濃くて香りの強いコーヒーで勝負している「スター・バックス」は、差別化戦略の成功例である。
B 集中戦略
ある特定の製品・サービス領域に特化する戦略である。例えば、ロームは、他社がやりたがらない製品の生産に特化するという戦略、つまりニッチ(すきま)戦略で成功したといわれる。


 以上のうち2つを組み合わせた「差別化・集中」または「コスト・集中」という戦略も見られる。例えば、「アサヒ・スーパードライ」は差別化・集中の成功例だといわれている。だが、3つの戦略のうち2つ以上を同時に実行することは、それぞれ違った経営資源や熟練が必要であり、組織構成、管理方法、組織形態、組織文化などの内部矛盾を生じやすくなり、決して容易ではないといわれている。


競争戦略の重要性

 3つの戦略は基本的な競争優位性の構築手段であるため、このうちのどれも構築できていない企業は、窮地に立っていることが多い。この状態が続けば、優位性構築が実現できず、逆に、差別化に成功した企業や集中戦略に打って出た企業にシェアを奪われてしまうことになる。競争戦略が明確になっていない、あるいは一貫性を持っていなければ、企業文化もあいまいになり、従業員の具体的行動規範が不在の状態になってしまいかねない。経営者は企業の持つ能力と欠点を考慮し、採用すべき基本戦略を決定しなければならい。