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マネジメントとは何か リーダーシップVSマネジメント
企業経営と組織・人のマネジメント モチベーションとインセンティブ



 人材という経営資源は能力が同じでも、インセティブしだいで組織への貢献度合いに差が出る。働くことに対する人のモチベーションに、組織が上手にインセンティブを組みあわせることで、従業員のやる気と努力を引き出し、結果として組織としてのアウトプットを高めることができる。


働くことへのモチベーション

 人は働くことに対して、大きく分けて3つの動機を持っている。企業の経営者やマネジャーは、自らの組織の構成員がそれぞれどの動機にどのような相対的序列をつけているのかをよく理解したうえで、効果的なインセンティブを与える必要がある。

@ 金銭的動機
働くことによって生活に必要なものを得ようとするもので、最も一般的で根本的な動機といってよい。
A 集団への帰属意識とその集団の中での自己顕示(社会的動機)
人は集団の中にいることである種の安心感を得ることができる。一定の価値観を共有できる集団の中で社会生活を営みたいという動機は、その社会のルールや価値観にある程度縛られるとしても、容易に理解できるものである。また、いったんある会社や組織の一員となると、そこは単に安心を得て適応するためだけの場ではなく、その中で目立ちたい、評価されたい、そして人によっては権力を得たいという欲求が出てくる。
B 自己実現動機
学習や成長といった目的から、社会的使命感を伴うようなより高い目的まで程度の差はあるが、人は目的を持つと、権力欲とはまた別のところまでそれを実現したいという希望をもつ。


組織の与えるインセンティブ

 組織がその構成員の仕事に対するモチベーションに応え、やる気を刺激するために与えるインセンティブには、大きく分けて5つのカテゴリーがある。

@ 金銭的報酬
このインセンティブは具体的、定量的でわかりやすいが、当然高いコストを伴う。加えて、ある額の報酬を超えると限界的な効果は弱くなる傾向がある。また、金銭的インセンティブに頼りすぎると,より高い報酬でヘッドハントされた場合、容易に応じる可能性があり、インセンティブとしては最も一般的で多用されているものの、底が浅いと言わざるをえない。
A 評価
企業では、人は高く評価されることで業務に対する前向きな姿勢が出てくる。また、結果や行動に対する評価を通じて組織の目的を再確認する。地位や権限や名誉を与えることが大きなインセンティブになりうる。時には、上司や幹部のちょっとしたほめ言葉だけでも、社員のエネルギーを引き出せることがある。
B 組織と個人との価値観の共有
会社の経営理念や経営者の経営哲学への共鳴は、社員の組織へのコミットメントを引き出す。自らの理想と組織の目指すところが一致していると感じるとき、社員は使命感に近いものを持って仕事に取り組むものである。経営者は、理念や哲学を頻繁に語ることによって、社員をその気にさせることができる。
C 自己実現の場の提供
組織との価値観の共有までは行かなくても、組織が常に自分をよりよい方向に育成してくれていると思ったり、自分なりに達成感を持って仕事ができているような状況では、社員は積極的に働こうとする。教育、仕事の与え方、責任と権限の与え方によって、社員に自分を活かせる職場という意識を持たせることができる。
D 職場の仲間との人間関係やリーダーの魅力などの人的要素
気心の知れた仲間の存在は、安心感や余裕を産み、組織への帰属意識や社員の活力の源泉となりうる。また、リーダーの魅力によって、社員を組織目標の達成に駆り立てることもできる。

 企業が従業員に与えるインセンティブも社員のさまざまなモチベーションに応えるものでなければならない。また、多くの組織でインセンティブを報酬や評価のことと誤解されており、個人が短期的にあげた業績に対して過剰に報いていることが多い。いたずらに従業員どうしが競争しあうよりも、協調によって長期的に組織のアウトプットを高めるようなインセンティブ体系も必要である。