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リーダーシップとマネジメントは明確に異なる機能である。それらは、相互に補完しあう機能であり、現代の複雑でかつ変化の激しいビジネスで成功するためには、強力なリーダーシップと強力なマメネジメントの両方の機能を併せ持ち、適切な調和を図っていくことが必要となってくる。 ◆ リーダーシップとマネジメントの相違 リーダーシップとマネジメントは異なる機能であり、どちらがより重要であるとか、より上位に位置づけられるという性格のものではない。企業規模の拡大、複雑性の高まりとともに、企業組織を効率的に運営することの必要性が高まっている。この複雑さへの対応がマネジメントの機能である。マネジメントが有効に機能するためには、組織の秩序維持と運営上の一貫性を保持することが、少なくとも必要となる。 一方、リーダーシップは組織の変革を推し進めることを目的とする。事業環境の変化が激しい現代において、過去の踏襲ではない変革および変化対応の必要性が高まってきており、リーダーシップの重要性も高まっている。J.コッターは、経営を3つの場面に分けそれぞれのステージごとにリーダーシップとマネジメントの機能を整理している。管理者は、いま自分はどのような場面に立っており、どちらの機能を発揮すべきなのかを認識した上で行動することが肝心である。 ◆ 方向設定と計画策定 リーダーシップの第一歩は、変革の方向性を示すことである。その方向性から長期ビジョンや、変革を実現するための戦略が導かれる。ビジョンは、その企業のステークホルダーに何らかの価値をもたらすものでなければ、彼らの共鳴を得られず、リーダーシップを発揮することは困難になる。 計画策定(planning)はマネジメントに属するプロセスである。秩序を持って運営し、予想される成果を確実にあげていくために計画は策定される。方向設定の代用としてなされるのではなく、方向性が実際に事業運営に活かされているかをチェックする役割を担っている。 ◆ 人材のベクトル合わせと人材の組織化 方向が設定されれば、従業員をその方向に導き、ベクトル合わせをすることが必要になる。ここではビジョンや経営戦略を従業員のみならずステークホルダーへ伝達し共感を得るためのコミュニケーションが重要となる。 その際、マネジメントに要求されるのは、定められた方向を踏み外さず、確実に、かつ秩序だって進むような仕組みを作り、運営することである。これは、組織化あるいは、システム化ということができる。具体的には、組織構造、職務分掌、指示命令系統、評価制度、権限と人材の配置等を策定し、それらが円滑に働くように監視することである。 ◆ 行動の推進 つぎに、困難を乗り越え、目標に向かって、行動を開始させなければならない。このプロセスにおいて、精神的な報償が強力なインセンティブとなる。それを与えていくのがリーダーの重要な役割である。人間の精神的な部分に働きかけ、時には爆発的なエネルギーを引き出すこともできる。 さらに、高められたエネルギーが、間違った方向にぶれたり、非効率な使われ方をしていないかを確認し、修正をかけることが求められる。これがマネジメントの重要な要素である、コントロール(統制)機能である。コントロールを正しく機能させるために金銭的報償、罰則、プレッシャーなどが使われる。また、何らかの問題が発生し、ルールや計画からの逸脱が生じた場合、それをいち早く発見し、解決策を示すことが求められる。マネジメントの本質とは、平均的な能力を持った人材が、決められたやり方に従えば、ある程度確実に与えられた職務を遂行することができるような環境を整備することである。
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