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企業は戦略目標の達成という目的を持つ一方、企業で働く個人は生活維持の欲求や、集団での自己顕示や自己実現と行った動機を持っている。組織・人のマネジメントは、企業の目標と人々の欲求とを一致させることをつうじて、個人が仕事を遂行するエネルギーを最大にすることを目的としている。しかし、個人は、モノやカネと違い自由な意志をもっており、その意志を第三者が容易にコントロールすることは決して容易な作業ではない。そこに企業経営の難しさがあるといって過言ではない。 ◆ 組織のマネジメント 組織のマネジメントとは、戦略目標の実現に役立つ組織文化を醸成し、また最も効果的に戦略目標を実現できる組織形態を作り上げることをその目的とする。どのように社員を配置し、そしてここの社員にどんな仕事をしてもらうか、また、そのために社員の能力をいかに高めるかが主要なテーマである。 企業は、人事異動をどうするか、まただれを昇進させるか等、人をどう扱うかという個別テーマに安易に入り込んでしまう傾向がある。最も重要なのは、企業にはミッションや経営理念に基づく経営戦略があり、その実現のために組織・人のマネジメントがあるという点である。したがって経営戦略上の目標を達成するという視点に立ち、必要な業務を最も効率よく達成する組織形態および人事システムを構築する必要がある。人事システムには、採用、人員配置計画、評価、報酬、能力開発等があり、各組織部門や個人の責任と権限を明確にし、望ましい人材育成や適切な動機づけを行うのが、組織・人のマネジメントの基礎である。 ◆ 人のマネジメント 個人に焦点を当てると、仕事に対する個人のモチベーション(動機づけ)を高めるインセンティブを企業がいかに提供するかが、組織・人の、マネジメントの主要なテーマとなる。まず、第1に、人は他の経営資源と違って、有効なモチベーションを与えると自ら向上するものである。モチベーションにはいくつかのパターンがるが、適材適所によって達成感のある仕事を任せ、それに適切な地位と報酬を与えることが基本である。重要な点は、企業は組織の戦略目標を達成するために、異なったモチベーションで働いている個人に対して適切なインセンティブを与え、個人のエネルギーを組織目標達成という同一ベクトルに向けさることである。 ◆ 企業と個人の関係 企業と個人とを結びつけるのが、組織上の「役割」である。個人は、個別の経験、能力、知識を持ち、独自の価値観、欲求に基づき職務を遂行する。一方、企業は独自のミッション、経営理念、経営戦略に基づく目標を持ち、個別の組織形態および人事システムを所有する。企業(組織)は、個人の能力・経験等を考慮して、各個人に対する役割を定義し、その成果を期待する。個人は企業より定義された役割において、自らの能力・経験をもとに行動し、最大の成果を得るべく努力する。成果に対しては適切、公正、公平な基準により評価する。評価に基づき各個人には報償が与えられ、新たな役割を与えられる。一方、企業は、成果に対する評価に基づき組織形態・人事システムを見直し、新たな役割を定義する。この過程において、企業(組織)は戦略上の目標を達成し、個人は満足して職務に遂行するわけであり、そのサイクルを生み出すのが、組織・人のマネジメントである。
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