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2017/02/15

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多彩な探求者  NGAWANG Gyeltshen (国際経営学部1回生、ブータン)


NGAWANG Gyeltshen(国際経営学部1回生、ブータン)は2016年2月23日(火)から28日(日)まで「幸せの秘密~ブータンの色~」という展覧会を大分県立美術館で開催しました。そして、同月27日(土)には同じテーマでトークショーも行いました。NGAWANGさんに興味を持った私は、SPAとして取材し、聴衆を魅了したアート作品の他にも、NGAWANGさんについて紹介すべきことが多くあることがわかりました。


モダンアーティスト
モダンアーティストとして見た場合、NGAWANGさんは自らの従来の手法とは違ったやり方での創作に挑戦しています。例えば、ある絵画には矢が貫かれた心臓(ハート)が描かれていて、それは「自己犠牲」という隠れたメッセージを持っています。NGAWANGさんはどの宗教にも属していませんが、文化として宗教を学ぶことに強い関心を抱いています。彼はこの10年間仏教を勉強してきました。そして、このアート作品は瞑想のテクニックの影響を受けています。瞑想者は最も大切なものであり、肉体の「中心(心臓)」から自身を切り離し、他者に与えようと試みます。矢は一度放たれたら戻すことはできません。これは人を助けるという行為が人に不都合を与えようとも、他者に尽くすことを表現しています。



NGAWANGさんにとって、アートはその形態にかかわらず語ることであり、誰かがそれを見るまでは完成しないものです。NGAWANGさんの絵画には黒い墨が使われており、作品の意味を見る人に委ねています。「もし私が黄色のテーブルを描いたとしましょう。見る人はその人のために作られた世界を見出すでしょう」と説明し、さらに「しかし、アートは見る人の中で作られた感情でもあるのです」と付け加え、アートは常に観客を必要とし、時にアーティストよりも重要であると述べました。


人としてどうアートが影響しているかと質問した時、NGAWANGさんは好きなフランスの哲学者アルベール・カミュの「永遠に私は自分にとっての異邦人である」という言葉を引用しました。「私」という概念は分かりにくいので、それを定義することなく、アートがその人自身を作るという考えに至りました。色絵の具から墨への移行を、物事をあるがままに受け止めることから、存在しない物事を作り上げていくことへの変遷と見なしています。「私のアートは私が誰であるかについては語っていないし、他の人へ私が誰であるかを押しつけていません。むしろ、私が誰であるかを創作しているのです」と述べました。


NGAWANGのアートは日常生活を描いています。彼は至る所でインスピレーションを感じており、たとえば溺れている魚の絵はお寿司を食べているときに思いついたそうです。一度何かに関心を持てば、詩が好きなので、様々な詩の形式でメモをとります。彼はラップを都会の詩として見ていて、芸術だと思っています。実際、どちらも日常的な場面から出発しているものです。振り返ってみると、アートは彼が打ち込んできた大変な仕事から彼を救うものでもあったのです。


ソーシャル・チェンジ・メーカー
芸術のほかにも、彼は様々なことに取り組んでいます。APUに来る前には、彼は社会青年協同組合(Yコープ)をブータンで設立し、2年間運営しています。公益事業として、協同組合は、声を上げることのできない弱い人々に力をつけることをめざしています。ブータンでは大多数の農民や小規模なビジネスを営んでいる人々は資金や経験、そして影響力の上で大企業と競うことはできません。そのため、全ての農民とともにYコープは力を合わせて支え合いながらビジネスを営むのです。また、Yコープは他の分野にも関わっています。それは所得格差の軽減です。
NGAWANGさんは国際協同組合同盟(ICA)アジアパシフィックのブータン代表も務めています。他の参加10カ国のリーダーと共に、ICAアジアパシフィックの代表は緊急を要する事柄について協議し、所得格差を軽減し適当な賃金を得られるように努めています。


次のステップとして、NGAWANGさんは自国の為に計画があることを話してくれました。ブータンにある公共企業で投資家の80%をブータンの人にする計画を提案しようとしています。現在、ブータンに大企業の本部はなく、NGAWANGさんはその状態が続くことを望んでいます。この計画が成功したら、国そのものが公益企業が主体の国になります。「私の国では、人々は家族のようです。私はできると思っています。」彼はコミュニティのために立ち上がる熱意を表明しました。



19歳の探究者
母国のためには大きな計画がありますが、NGAWANGさん自身には特別な計画がありません。個人の人生の目標を聞いたところ、NGAWANGさんはしばらく沈黙していました。それから、顔を上げて、ゆっくりと話し始めました。「人生に特別な計画はありません。でも、私の人生は私が作った目標によって決められないということを知っています。私の行動によって決められるのです。目標は変わる可能性があります。あなたが大切だと思っている人は変わるかもしれません。あなたも変わるかもしれません。でも、あなたがの行動や今私たちが話していることは学位や展覧会よりもはるかに大切なことなのです。私はこの会話からも多くのことを学びます。なぜなら、自然な学びだからです。だから私はとても大切なものだと思います。」19歳の探究者は微笑んで言葉を締めくくりました。


NGAWANGさんとの会話は、私たちの可能性は、行動を起こして限界まで突き進まない限り、わからないことに気づかせてくれました。障害はありますが、限界を押し上げ、それ以上のことを達成するのに若すぎるということはありません。この記事の最後に、老子の名言を、才能豊かなNGAWANGさんへの願いとして引用したいと思います。「どこへ行くにも心を持っていきなさい」真実が語られる時、彼はいつもそうするだろうと思います。


For more information about Y Co-Op, please refer to this link:
https://www.facebook.com/Y-Co-Op-369622409902348/
For more information about the ICA Asia Pacific, please refer to this link:
http://www.ica-ap.coop/
For more information about NGAWANG Gyelthshen’s exhibition and speech, please refer to this link:
[FAFA event result page(English only)]

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