student life BY CATEGORY

student life BY YEAR

PRINT PAGE

2017/02/15

音楽との運命

2017/01/26

「Finding Home~故郷を探す~」写真展

2016/12/09

カルチャーワゴンキャンプ

2016/11/25

Trick or Treat-お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!

2016/11/24

熊本子どもキャンプ

2014/11/25

西水氏インタビュー

2014年11月7日(金)、元世界銀行副総裁、現在は東京に本社を置くシンクタンク・ソフィアバンクのシニア・パートナーの西水美恵子さんを講師に迎え、「What’s in a name?草の根から権力の回廊へ」をテーマに特別講演会が開催されました。その際にSPAによる独占インタビューにお応えいただきました。

<講演の中で、「生命を維持する」ことについてお話いただきましたが、これは「人生を生きる」という意味との違いはどこにありますか?もう少し詳しくお話頂けないでしょうか?>

講演会でお話しした通りですが、英語での説明だったので、もう少しかみ砕いて説明しましょう。例えば、あなたの周りにはきれいな水がなく、水を汲みに行くのに一日6~7時間かかることを想像してみてください。あなたは生きるためにその一瞬一瞬戦っているのです。そのような考える余裕がない状況の中で、夢や希望が叶うでしょうか。それは人生とは言いません。そこには尊厳というものが存在しないからです。

<講演の中で、現在の発展途上国の貧困状態は、世の中の経済現象に起因するものではなく、むしろ悪い統治によって人間が作り出した災害に原因があることを強調されていましたが、この点についてもう少し詳しくお話し頂けないでしょうか?また、悪い統治が内因である国内政治と比べて国際政治についてはどう思いますか?>

悪い政治は、発展途上国以外の国にも存在します。クリーンな政治というものは、ある程度実現できていても、実際はどこの国にも真のクリーンな政治は存在しません。理想を言えば、政治家は、地元の有権者の代表者であり、国民のために活動している人たちですが、皮肉なことに、いつもそうとも限りません。実際のところは、国民よりも自分たちの利益を優先する政治家もいます。このような権力の乱用が悪い統治を引き起こし、特に発展途上国においては大変危険な状況を招くことになるのです。
国際政治に関しても、国内政治よりクリーンとは限りません。国際政治は、様々な国の政治家が集まる政治基盤(プラットフォーム)にしか過ぎません。不徳な政治家が集まれば、国際政治も悪くなります。とにかく、国内政治を国際政治と比べるのではなく、政治全般をよりクリーンな政治にするために努力することが賢明ではないかと思います。理想を抱きすぎているように聞こえるかもしれませんが、もし世の中の人々がクリーンな政治を作ることを断念したら、永遠にそれは実現しないと思いませんか?

<講演では、世界銀行現役時代の経験と実際に貧困を体感されてそこから得た「悟り」と経済理論との独特な組み合わせについてお話頂きました。大学では、貧困などの問題の解決策について、教員の意見に対して学生が反対意見を出すことがよくあります(例えば、世界銀行のような資本主義および市場を基盤とした機関は、利益または損害のどちらをよりもたらしているかについて)。このような状況についてどう思いますか?>

私の考えでは、大学の教員は、学生に個人のイデオロギーの教えを強要してはいけないと思います。大学は、政治的イデオロギーや信念の支持者を採用する場ではありません。そうではなくむしろ、学びの聖地です。私にとって教員の仕事というのは、学生たちを優秀な人材に育てるための重要な役割を担っていると思っています。母親が子供を育てると同じように、子供が自分の能力で自分の人生を切り開いていけるようにしてあげることです。教員が講義の内容と個人のイデオロギーを混同した場合、それは学びの聖地を汚すようなものです。学生は、教員からイデオロギーを学ぶのではなく、様々なイデオロギーの知識を習得して、どの思想を支持するか自ら選ぶことが大切です。

<女性のリーダーとして、西水さんの経験から職場での女性のリーダーシップについてどう思いますか?>

世界銀行では、女性リーダーは少なかったです。女性がイスラム教国や男性中心の職場環境で働く時、女性にできて、男性の同僚にはできないことがしばしばありました。例えば、イスラム教社会のリーダーの方々は、私を女性のロールモデルとして娘さんたちに会わせたいと家に招待を受けたこともありました。イスラム教徒の家族の家に招かれることは、自分もその家族の一員となり、危険にさらされずに安全に満足に過ごせることを意味します。言い換えれば、世界銀行であろうとなかろうと、男性の同僚たちと比べて私は現地の社会により深く加わることができたのです。ただ、注意してもらいたいことは、自分と異なる人が自分より能力が劣っているという見方をしないことです。これは危険な考え方です。男性の同僚たちにできることで、女性の私にはできないこともあります。
リーダーシップは、組織内の順位付けとよく混同されます。リーダーシップとは、本当はあなた自身の中から始動させるものであって、他の人たちに多くの機会を与えられるように率先して自分を前進させること、そこからすべてが始まるのです。

<男女平等についてどう思いますか?>

男性と女性はそれぞれの異なる性質を持っています。おかしく聞こえるかもしれませんが、私の意見では男性と女性はほぼ別の人種だと思っています。私たちは、男女間の異なる部分を尊重するべきです。片方が相手より優れているわけではなく、男性も女性も相手にないものを持っています。両方がお互いを尊重して、協力し合い、またお互いの異なる見解を共有しない限りこの世界をより住みやすい場所にはできないと思います。社会における男性と女性の役割に関しては、家族と同様に考えてみてください。家族とは、両親(母親と父親)がそれぞれの役割を互いに調和して担うことでうまく機能します。これは、組織や毎日の生活の中でも同じことが言えます。

<国際キャリアを目指すAPUの学生たちへ伝えたいことはありませんか?>

みなさんは、自分自身が人々のためにどのようにして役に立ちたいかを考えることが大切です。私の個人的な見解では、働くということは、自分が役に立ちたい人たちについて知ることだと思うので、現在トレーニングしていることや専攻分野を勉強していることに関わらず、成功するキャリアの特徴は、なぜ自分がその仕事に就いているかをよく理解して、誰に対して役に立っているのかを知ることが何より影響力のあることだと思っています。人は死ぬまで成長し続けるので、自分が働く目的を常に頭に入れておくことです。

<ソフィアバンクのウェブページに、西水さんのことについて「専門は経済学、経歴は銀行家、そして情熱は『リーダーシップメンター』にある」と紹介されていましたが、西水さんご自身の言葉に置き換えるならご自身はどのような人間だと思いますか?>

(クスクスと笑みを浮かべた西水さん)私は、人に対して思いやりのある、優しい人間でありたいです。

以上、西水さんのインタビューでした。インタビュー終了後、SPAメンバーと一緒に写真を撮らせていただき、学問と人生への成功のエールを送って頂きました。



PREVIOUSE PAGE
APU学生広報スタッフ - Student Press Assistant (SPA)
NGHIEM Quoc Hoai Minh(ベトナム社会主義共和国)
RACHMAN Muhammad Aulia (インドネシア共和国)